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伸縮自在で繰り返し使用できるフィルム状の材料パナソニック AIS社

パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズは、独自のストレッチャブル樹脂技術を採用した「ストレッチャブル樹脂フィルム」を開発した。ウェアラブルデバイスをはじめ、センサー、ディスプレイ、ロボットなど幅広い分野での展開を見込んでいるという。

» 2016年01月15日 09時00分 公開
[EDN Japan]

 パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ(AIS)は2015年12月、独自のストレッチャブル樹脂技術を採用した「ストレッチャブル樹脂フィルム」を開発したと発表した。しなやかで繰り返し使用できるデバイスを可能にする。

 さまざまなウェアラブルデバイスが開発される中、小型/薄型化に加えて装着時の違和感軽減やデザイン性向上の要求が高まっている。これまでのフレキシブル材料は、折り曲げはできていても折り畳みや伸縮が難しく、かつ、ウレタン樹脂やゴム系のストレッチャブル材料は密着性や耐熱性などの面で問題があったという。

伸縮自在なストレッチャブル樹脂フィルム(導電ペーストでストレッチャブル配線を形成したもの)

独自の樹脂設計技術を採用

 AISが開発したストレッチャブル樹脂フィルムは、熱硬化性樹脂でありながら、柔らかく、しなやかなフィルム状の絶縁材料で、引張り伸びが2.5倍以上という優れた伸張性を持つ。また、熱硬化性樹脂の特徴である3次元架橋構造を生かした独自の樹脂設計技術を採用。伸張時に発生した内部応力を緩和することで元の形状に戻るため、繰り返し使用可能だ。応力緩和率60%、復元率は98%以上。自在な折り曲げや自由曲面への適応ができることから、従来設計の制約を大きく改善するとしている。

 同社は、透明電極材料と配線用導電ペーストも開発。透明電極材料は、ストレッチャブル樹脂をベース基材として、基材上にカーボンナノチューブによる薄い透明導電層を形成したものとなっている。配線用導電ペーストは、ストレッチャブル樹脂をバインダとして銀フィラーと複合化したもので、どちらも伸縮を繰り返しても導電性を維持できる。

 同開発製品は、2016年1月13〜15日に東京ビッグサイトで開催されている「プリント配線板EXPO」に出展されている。ウェアラブルデバイスをはじめ、センサー、ディスプレイ、ロボットなど幅広い分野での展開を見込んでいるという。

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