図2は、負電圧入力が変化したときの正電圧出力を示す。入出力間の最大電位差は、コンバーターICに内蔵されたスイッチング素子(パワーMOSFET)のドレイン‐ソース間耐圧(VDS)よりも大きくなってはならない。
今回使用したコンバーターICのVDSは18Vである。一方、図1における入出力間の最大電位差は17Vになる。入力電圧の最小値が−12V、出力電圧が5Vであるからだ。従ってVDSに対して1Vのマージンを確保できる。このマージンによって、ダイオードD1による電圧降下と、パワーMOSFETのドレイン電極における電圧スパイクを補償することが可能である。
図3に、負荷が変化した場合に出力電圧がどの程度変化するかを示した。出力電流(IOUT)の最大値は、入力電圧と出力電圧の比やコンバーターICの電流制限の設定値に依存する。この回路の変換効率を図4に示す。出力電流が200mAのときに80%を超える変換効率を達成できる。
【アナログ機能回路】:フィルタ回路や発振回路、センサー回路など
【パワー関連と電源】:ノイズの低減手法、保護回路など
【ディスプレイとドライバ】:LEDの制御、活用法など
【計測とテスト】:簡易テスターの設計例、旧式の計測装置の有効な活用法など
【信号源とパルス処理】:その他のユニークな回路
※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事の中から200本を厳選し、5つのカテゴリに分けて収録した。
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