ルネサス エレクトロニクスは、32ビットマイコン「RX24Tグループ」を発表した。1モーター制御用途向け「RX23T」をベースに性能を高めたことで、複数のDCモーターを1チップで制御可能という。
ルネサス エレクトロニクス(ルネサス)は2016年3月、複数のモーターを同時にインバーター制御できる32ビットマイコン「RX24Tグループ」を開発したと発表した。白物家電製品や無停電電源装置、産業機器、などのブラシレスDCモーター制御に適する。
RX24Tグループは、1モーター制御用途向け「RX23T」をベースに、CPU性能を40MHzから80MHz、ROM容量は128Kバイトから256Kバイト、ピン数とモーター制御周辺機能(タイマー、A-Dコンバーター、アナログ回路)を約2倍に増やしたことで、複数のブラシレスDCモーターを1チップで制御可能。RX23Tの互換性も確保し、ハードウェア/ソフトウェアの資産を生かすことができるため、幅広い製品展開が可能としている。
RX24Tグループのラインアップは、端子数が80〜100ピン、内蔵フラッシュメモリサイズが128〜256Kバイトの6品種をそろえている。サンプル価格は80ピン、128Kバイトフラッシュメモリ品「R5F524T8ADFN」で、1個当たり400円(税別)。量産は2016年3月から開始し、2017年7月には月産50万個を計画しているという。
RX24Tグループは、オペアンプとコンパレーター、サンプル&ホールド回路、インバーター制御システムに必要な外付け回路をマイコンに内蔵し、基板実装面積を縮小することができる。FPU機能も搭載し、従来の固定小数点演算時に必須である小数部の桁合わせが不要となり、シンプルなソフトウェア構造で開発可能。これにより、デバッグなどが容易となり、開発期間を約30%短縮できるとした
また、ブラシレスDCモーター、センサーレスベクトル制御ドライバソフトが付属している「24Vモーター制御評価キット」を提供する。RX24Tを実装したレファレンスボードとマイコンの評価環境がセットになった「RX24Tスタータキット」も提供し、「1日でセンサーレスベクトル制御の評価まで可能にする」(ルネサス)と語る。
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