電源回路全体の効率は、最大出力電流400mAにおいて最大となり、入力電圧6V、出力電圧4.69Vの場合で89%となる(図2)。出力電圧が高いほど効率は高く、出力電圧が低くなると効率も低下するので注意されたい。
図3にSMPS、LDOリニアレギュレーター単体と、これらをカスケード接続した電源回路のPSRRの比較結果を示した。この図から、両電源ICを組み合わせた電源回路では、PSRRが大幅に改善することが分かる。同電源回路のPSRRは各電源単体のPSRRを加算した値にはなっていないが、回路の実装方法や計測方法の影響により、小信号特性の正確な計測が難しいことがその理由の1つである。
図1の回路の場合、負荷の変動に対する応答特性はLDOリニアレギュレーターによって決まる。しかし、その特性がSMPSの応答特性よりも良好だとは断言できない。とはいえ、この構成により低リップル性能と高い効率が得られることは確かである。
【アナログ機能回路】:フィルタ回路や発振回路、センサー回路など
【パワー関連と電源】:ノイズの低減手法、保護回路など
【ディスプレイとドライバ】:LEDの制御、活用法など
【計測とテスト】:簡易テスターの設計例、旧式の計測装置の有効な活用法など
【信号源とパルス処理】:その他のユニークな回路
※本記事は、2008年7月29日にEDN Japan臨時増刊として発刊した「珠玉の電気回路200選」に掲載されたものです。著者の所属や社名、部品の品番などは掲載当時の情報ですので、あらかじめご了承ください。
「珠玉の電気回路200選」:EDN Japanの回路アイデア寄稿コラム「Design Ideas」を1冊にまとめたもの。2001〜2008年に掲載された記事の中から200本を厳選し、5つのカテゴリに分けて収録した。
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