マイコン製品の中には、製品の仕様として外付けの回路が必要な場合があります。図1のSTM32F103の場合にはBoot0とBoot1という端子があり、この端子を電源またはグランドに接続(接地)することで、マイコンの動作モードが決まります。このように、ユーザーはマイコンのマニュアルを確認して、製品特有の回路を設ける必要があります。
この回路は必要ない場合もありますので、必ずマニュアルを確認しましょう。
1.デカップリング・コンデンサー
デカップリング・コンデンサーはマイコンの動作には直接関係しません。なくても動作します。ただ、実際の使用条件では、電源が変動したり、ノイズが入ってきたりして、マイコンが誤動作する場合があります。この誤動作を防ぐための有効な手段がデカップリング・コンデンサー*5)です。
マイコンメーカーに推奨回路を確認し、かつ使用条件を考慮して適正なコンデンサーを適正な場所に付けてください。
2.開発ツールを接続するための回路
ユーザーは作成したプログラムをマイコンに書き込み、正常に動作するかどうかを確認しなければなりません。そのため、開発ツール*6)を接続するための回路が必要です。プログラムが完成してしまえば不要な回路ですが、プログラム開発時は必要です。具体的な回路は、マイコンのマニュアルを確認してください。
*6)マイコン入門!! 必携用語集(4):マイコンのソフト開発って、どうやるの?
マイコン入門!! 必携用語集(8):どう選ぶ? PCとターゲットを接続するツール
3.内部降圧回路用コンデンサー
最近のマイコンは内部降圧して、内部回路は低電圧で動作するようになっています。マイコンによってはこの内部降圧電源の安定化コンデンサーが必要な場合があります。これもマイコンのマニュアルを確認してください。
4.その他の回路
その他、使用条件に依存した回路が必要な場合があります。例えば、静電破壊耐量やラッチアップ耐量やノイズ耐量を上げるための回路が必要な場合があります。どのような回路が効果的なのかは、実機で確認する必要があります。
ユーザーの用途によって必要な回路があります。例えばLED(発光ダイオード)をつけるには電流制限用の抵抗+LEDが必要です。USBを使いたい場合はUSBなどに附随する回路(コネクター、5V電源、プルアップ抵抗等)が必要です。I2C(Inter-Integrated Circuit)を使いたい場合はプルアップ抵抗が必要です。
図3にはLED、USB、I2Cを使う場合の例を示しました。
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