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“サプライズ”で学ぶ電子回路の面白さWired, Weird(2/3 ページ)

» 2016年07月07日 11時30分 公開

7Wのライトだけど、点灯は2.8Wどまり

 ランプが点灯した時のSCRのカソードKから見たアノードAの波形を図3に示す。

図3ランプが点灯した時のSCRのカソードKから見たアノードAの波形 (クリックで拡大)

 図3を説明する。AC電圧がプラスになり電圧が上昇して100Vを超えた電圧になるとSCRがオンして電圧がほぼ0Vになっている。図3にオンの時間を赤四角で示しているが、この時にランプに電流が流れランプは点灯する。AC電圧がマイナスになるとSCRは逆電圧がかかって電流が流れなくなりオフする。図3から16.6ミリ秒(60Hz)の周期で約6ミリ秒の間、オンしており、40%の割合でランプに電流が流れていた。

 センサーライトが点灯しているときの電力を検電器で計測したら約2.8Wだった。写真を図4に示す。

図4:点灯しているセンサーライトの電力を測定すると「2.8W」だった

 図4で分かるがランプの点灯は、弱い。ランプは7Wのものを使用しているのになぜ、2.8Wしかないのだろうか? その理由は、図3の波形から読みとれる。

 理由はSCRがオンする時間が周期の40%程度の時間であるためだ。7W×0.4=2.8Wの計算でモニターの表示とも一致している。

 余談だが、教材に使ったこのライトは、自宅で4年ほど使用した後にランプが切れた。そこで、このランプの寿命を計算してみた。点灯時間は昼夜(明るい時間と暗い時間)が「1:1」とすると4年間で約18000時間になる。ACランプの寿命は一般的には1000時間から2000時間であり、10倍近く長い時間点灯していた。消費電流が少ないのでランプのフィラメントの温度が高くならず寿命が延びたのだろう。

いよいよサプライズを起こしてみる

 研修の話に戻そう。研修では、センサーライトは下部にあるセンサーを手で隠して暗くするとランプが薄く点灯し、手を外してセンサー部を明るくするとランプが消灯することを実際にセンサーライトを手にして体験してもらった。このライトの動作を、回路の部品のCDSやSCRの特性として理解するだけでも、研修を受けた価値があるだろう。

 そして、いよいよ、サプライズを起こしてみた。同じセンサーライトでセンサー部を手で隠すとランプがかなり明るく点灯し、手を外してもランプが消灯せず、点灯しっぱなしになるというサプライズ動作を――。

 読者の皆さんには、どのようにこのサプライズ動作を起こしたか、考えてもらいたい。

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