STマイクロエレクトロニクスは、LoRaに対応したIoT機器が試作できる開発キット「ST P-NUCLEO-LRWAN1」を発表した。同社の32ビットマイコンの開発エコシステムを活用している。
STマイクロエレクトロニクスは2016年9月27日、省電力広域(LPWA)ネットワーク無線通信技術「LoRa」に対応したIoT機器が試作できる開発キット「P-NUCLEO-LRWAN1」を発表した。同社の32ビットマイクロコントローラ(マイコン)「STM32」の開発エコシステムを活用している。価格は40米ドルとなっている。
P-NUCLEO-LRWAN1は、同社のマイコン「STM32L073」を搭載した「Nucleo(NUCLEO-L073RZ)ボード」と、SemtechのLoRaトランシーバーIC「SX1272」を搭載したRF拡張ボード「I-NUCLEO-SX1272D」で構成される。
STM32L073は、ARM Cortex-M0+プロセッサを採用し、公共料金メーターや警報システム、測位機器などのホストマイコンに対応できる。温湿度センサーを搭載した「X-NUCLEO-IKS01A1」など、拡張ボードを追加して機能を拡張することも可能という。
同開発キットは、LoRaWANバージョン1.0.1に準拠し、クラスA/Cプロトコルに対応する双方向通信機器の開発に必要な要素を搭載。開発した双方向通信機器は、Over The Air Activation(OTAA)と、Activation By Personalization(ABP)で作動できる。また、LoRaWAN規格認証試験の証明書を同梱するほか、同社サイトからLoRaWAN用ソフトウェアパッケージ「I-CUBE-LRWAN」を入手できる。
LoRaは、長距離通信が可能で、従来のセルラー通信方式に比べて低消費電力、低コストなどのメリットを持つ。他に、多重通信モードや屋内外での高精度な位置認識、AES-128セキュリティなど、さまざまな機能も搭載しているとした。
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