ホームネットワーク向け無線規格として、海外を中心に普及が進む「Z-Wave」について解説していく本連載。連載最後となる今回は、認証フローとチェックポイントについて解説する。
IoT(モノのインターネット)の実現に求められる技術の1つとして、海外を中心に普及が進むホームネットワーク向け無線規格「Z-Wave」が注目を集めている。本連載では、Z-Waveの国内動向に加えて、なぜ相互互換性を実現できるかをひもといてきた。
前回は、互換性維持の要であるコマンドクラスのアーキテクチャについて解説した。連載最後となる今回は、認証のフローとそのチェックポイントについて紹介する。
Z-Waveは、Sigma DesignsのSoC「500 Series」の出荷に合わせて、2013年10月に認証プログラム「Z-Wave Plus」が始まっている。これまでの認証は「Z-Wave Classic」と呼ばれているが、Z-Wave PlusとZ-Wave Classicは下位互換性を持つため、過去のZ-Wave製品でも問題なく使用することが可能だ。
Z-Wave Plusで追加されたのが「Role Type」である。これまで、Device Classで各デバイスの役割が規定されていたが、Role Typeとして切り出されてシンプルに整理された。Z-Waveが使用された2000年ころは専用リモコンが多かった。しかし、スマートフォンの使用が主流となり、ゲートウェイも多様化したため、役割を見直すことになった。
Z-Wave Plusの認証は、以下の8つのステップがある。
開発では、Z-Wave SDKに含まれるサンプルコードを基にすることになる。これをベースに開発する製品に応じて、デバイスタイプ、コマンドクラスを確定を行う。合わせて、Manufacture IDなど固有IDの付加準備をする。
開発のめどがついたら、SDKに含まれるデータ解析ツール「Zniffer」、Z-Waveアライアンスメンバーならば「CTT(Compliance Test Tool)」などを活用し、自己認証を行う。
Z-Waveアライアンスに、Web上で認証フォームの申し込みを行う。
テストハウスでの検証の申し込みに進む。製品を2セット送付する必要があり、使い方も英文で用意しなければならない。テストハウスは、米国、ドイツ、中国北京にある。
Z-Wave Plusから追加されたステップである。ロゴの印刷や説明書での言い回しなど、製品のハードウェア、ソフトウェアに依存しない点の検証を行う。
テストハウスに、テスト用の製品と使い方の送付、テスト費用支払いが終わった後にテストがスタートする。最大で60日かかるが、通常は2週間ほどで終わる。
検証結果が他の認証機関に通知され、認証の番号が通知される。
出荷承認となる。
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