セイコーインスツルの子会社であるエスアイアイ・セミコンダクタは、ウェアラブル機器やIoT機器を低消費電力化できる高効率の降圧型スイッチングレギュレーター「S-85S1Pシリーズ」と「S-85S1Aシリーズ」を発表した。静止時消費電流が260nAで、100μA負荷時の効率が90.5%と高く、バッテリー駆動時間を最大2.5倍伸ばすことができる。
セイコーインスツルの子会社であるエスアイアイ・セミコンダクタは2017年4月3日、ウェアラブル機器やIoT機器を低消費電力化できる高効率の降圧型スイッチングレギュレーター「S-85S1Pシリーズ」と「S-85S1Aシリーズ」を発表した。S-85S1Pシリーズは既に販売中。S-85S1Aシリーズは、2017年4月20日に販売開始する予定だ。
S-85S1PシリーズとS-85S1Aシリーズはともに、静止時消費電流を260nAと低く抑え、100μA負荷時の効率を90.5%に高めた降圧型スイッチングレギュレーター。ウェアラブル機器やIoT機器などのバッテリー駆動時間を一般的なLDOレギュレーターに比べて最大2.5倍伸ばすことが可能で、バッテリー容量が限られる小型機器の長時間駆動をサポートする。
S-85S1Pシリーズは2.46×1.97×0.5mmの小型パッケージ「SNT-8A」、S-85S1Aシリーズは1.80×1.57×0.5mmの小型パッケージ「SNT-6A」を採用した。両製品とも独自のCOT(コンスタントオンタイム)制御方式により、負荷変動に対する高速な過渡応答を実現。また、0.7Vの出力電圧設定を可能とし、GPS機器に対する電源電圧の供給にも対応した。
加えて、S-85S1Pシリーズはパワーモニター用出力機能を搭載。パワーモニター用出力機能とは、バッテリーからの入力電圧を2分の1か3分の1に分圧して出力する機能だ。この出力電圧を低電圧マイコンのA-Dコンバーターに接続すると、バッテリー電圧(レギュレーターの入力電圧)の監視が可能になる。パワーモニターイネーブル端子でのオンとオフの切り替えにより、電圧を間欠動作で監視することで、消費電流はさらに低くできる。
従来のシステムでは、低電圧マイコンのA-Dコンバーターに入力する場合、バッテリー電圧を外付けの抵抗で分圧する必要があった。だが、S-85S1Pシリーズのパワーモニター用出力機能を使用すれば、分圧用の外付け抵抗やFETが不要になる。そのため、S-85S1Pシリーズは実装面積の削減により、機器の小型化にも貢献する。
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