アナログ・デバイセズ(ADI)は2017年5月23日、高いコモンモード過渡電圧耐性性能と低伝搬遅延を両立した小型の絶縁ゲートドライバ4製品を発表した。
アナログ・デバイセズ(ADI)は2017年5月23日、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)を用いたパワー半導体に対応する小型の絶縁ゲートドライバ「ADuM4120シリーズ」と「ADuM4121シリーズ」(計4製品)を発売した。既に量産出荷し、価格は1000個受注時1.58米ドルから。
新製品は、アナログ・デバイセズ独自のトランス応用型絶縁技術「iCouplerデジタル・アイソレータ」を採用した5kVrmsの絶縁性能を持つ2A出力1チャンネルゲートドライバ。高速CMOSとモノリシック変圧技術を組み合わせ、コモンモード過渡電圧耐性(CMTI)性能を落とさずに「極めて低い伝搬遅延を実現した。グリッチフィルターのないADuM4120-1は、33ナノ秒(代表値)という低伝搬遅延を達成。CMTI性能は4製品全てで150kV/マイクロ秒。従来のフォトカプラやパルストランスを用いた絶縁ゲートドライバでは、難しかったCMTI性能と低伝搬遅延を両立したことにより、SiCやGaNのパワー半導体の高速スイッチング性能を生かしやすくなった。
過熱防止のためのサーマルシャットダウン機能を備えるADuM4120およびADuM4120-1は、6ピンSOICパッケージを採用。内蔵ミラークランプによって保護を強化しているADuM4121およびADuM4121-1は、8ピンSOICを採用(ADuM4121はサーマルシャットダウン機能も搭載)。「小型であることからパワースイッチの近くに配置して、ドライバとスイッチ間の寄生インダクタンスを削減できる」(同社)としている。
いずれも2.5〜6.5Vの入力電源で動作し、出力電圧は4.5〜35Vとなっている。SiCやGaNによるパワースイッチだけでなく、IGBTやMOSFETのゲート駆動用途にも適しているとしている。
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