マルチバンドの通信を同時に提供するマイコン:日本TI SimpleLinkマイコン
日本テキサス・インスツルメンツ(TI)は、ビルや工場、グリッドでThread、ZigBee、Bluetooth 5、サブギガヘルツ帯の通信を可能にする「SimpleLink」マイコンを発表した。消費電力を抑え、1個のコインセル電池で10年以上動作する。
日本テキサス・インスツルメンツ(TI)は2018年3月、ビルや工場、グリッドでThread、ZigBee、Bluetooth 5、サブギガヘルツ帯(以下、サブギガ帯)の通信を可能にする「SimpleLink」マイコンを発表した。ワイヤレスマイコンの「CC1312R」「CC1352R」「CC1352P」「CC2642R」「CC2652R」と、有線用マイコンの「MSP432P4」となる。
「SimpleLink」マイコン
無線通信規格のオプションとして、CC1312Rがサブギガ帯、CC1352RおよびCC1352Pがサブギガ帯、Bluetooth low energy(BLE)、Thread、ZigBee、CC2642RがBLE、CC2652RがBLE、Thread、ZigBeeをサポートする。他に、IEEE 802.15.4g、Wireless M-Busなど、10種類以上のコネクティビティプロトコルをサポート。MSP432P4は、最大2Mバイトのメモリを内蔵している。
いずれも消費電力を抑え、1個のコインセル電池で10年以上動作する。センサーコントローラーを強化し、100Hz動作で最小1.5μAの消費電流を可能にした。CC1352Pでは、消費電流60mAで20dBの高出力パワーアンプを集積し、計量やビルオートメーションなどで通信距離を延長できる。
MSP432P4は、16ビットのA-Dコンバーターを統合。また、8倍のコード容量、複数のワイヤレスコネクティビティスタックのホスト能力を備える他、320セグメントの液晶ディスプレイ(LCD)をサポートした。
パッケージは、7mm2のQFNで供給される。MSP432P4は9mm2のQFN、16x16mmのLQFPパッケージとなる。1000個購入時の参考単価は、CC1312Rが3.89米ドル、CC1352Rが4.73米ドル、CC1352Pが5.25米ドル、CC2642Rが2.65米ドル、CC2652Rが3.05米ドル、MSP432P4は4.50〜5.99米ドルとなる。
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