TSNを適切に実装するには、エンドポイントとブリッジで低レイテンシーと決定論的な応答を提供できるソリューションが必要になる。多くのアプリケーションでは、CPUとFPGAを組み合わせ、PCI Express(PCIe)などの高速インタフェースで接続して解決している。
しかし、この2チップソリューションはボード上で占有するスペースや消費電力、開発時間が増すだけでなく、全体的に統合されたソリューションを開発することもできない。デザインが2つのデバイスに分かれているため、検証するにも複雑となる。
こうした課題の解決策の1つが、CPUコアを搭載したFPGA(「Zynq UltraScale+ MPSoC」や「All Programmable Zynq-7000 SoC」など)でソリューションを実装することだ。CPUコア搭載FPGAは、プロセッシングシステムとプログラマブルロジックが組み合わされており、下記の特長を生かすことで、目標捕捉と制御、処理のアプリケーションを実装可能にする。
つまり多様なインタフェースの制御と、プロセッシングシステムとプログラマブルロジックを接続できるため、CPUコア搭載FPGAはユーザーアプリケーションを別として、TSNを実装するために理想的である。
例えば、CPUコア搭載FPGAであるXilinxのZynq UltraScale+ MPSoC、All Programmable Zynq-7000 SoCでは、MAC用のFPGAロジックとTSNブリッジ、TSNエンドポイントで構成されるTSNデザインIP(Xilinx 1G/100M TSN Subsystem LogiCORE IP)が提供されている。専用ロジックリソースを確保したTSNデザインにより、タイミング動作が厳密に決定論的であることが保証される。CPUコア搭載FPGAのプロセッシングシステム内で実行されるツールは、ネットワークの同期と初期化、ストリーム予約用のネットワーク構成コントローラーとの接続を目的にしている。PetaLinux上で実行するようデザインされており、Yoctoビルド向けに公開される予定である。
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