今回の連載では、Bluetooth meshを正しく理解するための基礎講座として、このネットワークトポロジーを支える基本的な概念をはじめ、デバイスの管理やセキュリティについて、4回にわたり解説していきます。
2017年7月、Bluetoothが、メッシュネットワークをサポートしました。「Bluetooth mesh」です。Bluetooth meshは、多対多(m:m)間のデバイス通信を可能にし、大規模なデバイスネットワークの構築に最適化されたネットワークで、ビルオートメーションやセンサーネットワーク、資産追跡など、数十から数百、数千にも上るデバイスによる安全かつ高信頼性で相互通信を行う必要があるIoT(モノのインターネット)ソリューションに適した技術です。
今回の連載では、Bluetooth meshを正しく理解するための基礎講座として、このネットワークトポロジーを支える基本的な概念をはじめ、デバイスの管理やセキュリティについて、4回にわたり解説していきます。
Bluetooth meshネットワークは、照明、冷暖房機器、セキュリティなどのインテリジェントシステムで自宅やオフィスをスマート化して、周辺環境を新たに活用する機会を生み出します。
産業用ワイヤレスセンサーネットワーク(IWSN)の効率向上のためにも、Bluetooth meshネットワークは、数十、数百、さらには数千ものワイヤレスデバイスが高い信頼性とセキュリティの下で互いに通信する、大規模なデバイスネットワークを築き上げるための基盤として適しているといえます。
まずは、何千ものデバイスが、それぞれBluetooth Low Energy(BLE)でワイヤレスにショートバースト接続(必要なときに短いデータ伝送行う利用形態)されて形成されたネットワークを想像してみてください。
このような、Bluetooth meshネットワーク上にある一つ一つのデバイスを「ノード(Node)」と呼びます。ノードは個々にメッセージを送信し、受信します。ノードからノードへ情報を中継していくことで、通常の電波では届かない距離でも、メッセージを送り届けることができます。網の目のように張り巡らせたノード(図1)は、製造施設、オフィスビル、ショッピングセンター、企業敷地などを、覆うように展開できます(図2)。
Bluetooth meshのノードは多様に形成できるため、メッシュネットワーク内でさまざまな役割を果たすことが可能です。そのため、照明器具や製造機械、防犯カメラ、煙探知機、環境センサーなどは、実はノードが担う役割の一部にすぎません。
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