650V GaN FETパワー半導体をPFCに採用:トランスフォーム TP65H035WS
トランスフォームは、同社の高電圧650V GaN(窒化ガリウム)FETパワー半導体「TP65H035WS」が、シーソニックエレクトロニクスの1.6kWブリッジレストーテムポールPFC(力率改善)プラットフォーム「1600T」に採用されたと発表した。
トランスフォームは2018年6月、同社の高電圧650V GaN(窒化ガリウム)FETパワー半導体「TP65H035WS」が、シーソニックエレクトロニクス(シーソニック)の1.6kWブリッジレストーテムポールPFC(力率改善)プラットフォーム「1600T」に採用されたと発表した。同製品の導入により、従来のシリコン系プラットフォームに比べて効率が2%、パワー密度が20%向上した。
PFCプラットフォーム「1600T」での採用イメージ
シーソニックは、TO-247パッケージで提供される、RDS(on)35mΩのTP65H035WSを1600Tに採用。TP65H035WSの代表的ゲートしきい値は4Vで、最大ゲート電圧は±20V。ハードスイッチとソフトスイッチの両回路で効率を改善する他、一般的なゲートドライバと組み合わせることで、コスト管理を容易にし、設計を簡素化できる。
1600TにTP65H035WSを導入したことで、産業用などの充電器やサーバ、PC、ゲーミング電源用に力率改善効率99%を達成するプラットフォームを提供可能になったという。
また、トランスフォームでは、高電圧用途でより多くGaNを活用してもらうため、アプリケーションサポートやトレーニングも提供する。例えばシーソニックでは、同社のアドバイスによって、低コストのデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を活用してトーテムポールPFCを制御している。同社は、「両社の共同開発によってシーソニック製品の効率向上と出力増大の両立が可能になった」とコメントしている。
- スイッチング周波数50MHzの高速GaN FETドライバー
日本テキサス・インスツルメンツは、速度重視のアプリケーション向けに、60MHzローサイドGaN(窒化ガリウム)ドライバー「LMG1020」と最大200VのGaN FET向け50MHzハーフブリッジドライバー「LMG1210」を発表した。
- GaN半導体をベースとした三相インバーター
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、GaN(窒化ガリウム)半導体をベースとした三相インバーターのレファレンスデザイン「TIDA-00915」を発表した。GaNパワーステージ「LMG3410」を搭載し、24kHz時に99%以上の高効率動作を可能にした。
- 高速スイッチングを達成、定格1200VのSiC MOSFET
リテルヒューズは、定格電圧1200VのSiC MOSFET「LSIC1MO120E0080」シリーズを発売した。定格電流は25Aで、通常オン抵抗は80mΩ、最大150℃の温度で動作する。
- 最大60VのハイサイドNチャネルMOSFETドライバ
アナログ・デバイセズ(ADI)は、最大60Vの電源電圧で動作する、高速ハイサイドNチャネルMOSFETドライバ「LTC7003」を発売した。内蔵のチャージポンプにより、100%のデューティサイクルを可能にした。
- 窒化ガリウム、D級オーディオの音質と効率を向上
窒化ガリウム(GaN)ベースのスイッチング・トランジスタを用いたD級オーディオ・アンプの実用化が始まっている。これまでD級オーディオシステムで用いられてきたシリコン(Si)ベースのトランジスタはどういった課題を抱えてきたのかを振り返りつつ、GaNベースのトランジスタを紹介する。
- GaNに対する疑念を晴らす
新しいMOSFET技術が登場すると、ユーザーは新しいデバイスを接続してどの程度効率が改善されたかを測定します。多くの人が既存の設計のMOSFETをGaNに置き換える際にもこれと同じ方法を使ってしまい、性能の測定結果に失望してきました。GaNの本当の利点を引き出すには、通常、システム設計を変更しなければなりません。GaNを既存のMOSFET技術に対する完全な互換品(ドロップイン置換品)と見なすのではなく、さらなる高密度・高効率設計を実現する手段と捉えるべきです。
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