マイコンの使い方ではありませんが、CANネットワークの終端抵抗の値を間違っていて、通信不良が発生した例があります(図4参照)
配線上で特性インピーダンスの不連続点があると、反射波が発生し信号源に戻ります。それが元の信号に重畳すると元の信号波が崩れます。ネットワークの終端でインピーダンス整合が行われないと、このような反射波が発生して通信不良の原因になります。
インピーダンス整合のための終端抵抗の値は、ケーブルのインピーダンスを確認して、それと同じ値を使用します。通常のCANケーブルであれば、120Ωを使用します。過去には、ユーザーが、この値を間違えてしまったという単純なミスがありました。
配線に関するその他の単純ミスの例として、マイコンとケーブルやコネクター間の配線長が長くて、通信不良を起こした例があります。これは筆者の失敗例ですが、手作りボードでUSB通信を試みた際、USBコネクターからマイコンまでの配線が長かったため、通信が不安定になりました。配線は極力短くしなければなりません。
USBを使用するにはライセンスが必要なため、ライセンスに関する問い合わせも頻繁に受けます。そこで、各マイコンメーカーでは、ライセンスに関するサポートを行っています。
例えば、ユーザーがSTM32ファミリを製品に使用し、かつ、独自のWindowsPC向けアプリケーションソフトを開発する場合、マイコンメーカー(=ST)が提供するUSBドライバをそのまま利用することはできません。しかし、リセラー・サブミッションの適用によって対応が可能です。また、ユーザー固有のUSBのVID(Vendor ID)を利用する場合、STでは、VID/PID(Product ID)のサブライセンシング・サービスを行っています。ユーザーがUSB.orgのアカウントに登録済みの場合、ユーザー向けのPIDを発行しています。その上で、リセラー・サブミッションを適用することで、ユーザーのVIDおよびPIDに応じたドライバを利用可能です。これは、STのVIDに対するPIDを提供するサービスであり、STが提供するUSBライブラリーでは、STのVIDを使用します。STのUSBライブラリーを使用し、かつ、ユーザーのアプリケーションに応じたPIDを取得したい場合に利用できる無償サービスです。
ライセンスサポートについては、マイコンメーカーそれぞれが行っているサービスであり、詳細は各メーカーに問い合わせてください。
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