ルネサス エレクトロニクスは、高性能64ビットマイクロプロセッサ「RZ/G2」グループ4製品を発表した。ソフトエラー対策として、メモリの誤り検出、訂正機能を全製品に搭載。64ビットCPUコアの採用で、CPU処理性能が最大2.7倍に向上している。
ルネサス エレクトロニクスは2019年2月、高性能64ビットマイクロプロセッサ(MPU)「RZ/G2」グループを発表した。8コア品の「RZ/G2H」、6コア品の「RZ/G2M」、2コア品の「RZ/G2N」「RZ/G2E」の4製品で、G2MとG2Eのサンプル出荷を開始している。
RZ/G2グループは、産業用RZ/G Linuxプラットフォームを構成するMPUの第2世代となる。64ビットCPUコアArm Cortex-A57とCoretex-A53を採用し、従来のRZ/G1グループと比較してCPU処理性能が最大2.7倍に向上した。
宇宙放射線によるソフトエラー対策として、メモリの誤り検出、訂正機能を全製品に搭載。同機能をチップ内蔵のキャッシュメモリと外付けメモリ(DDR3LやLPDDR4)の両方に適用し、メモリ内のデータ破損から生じる誤動作などのリスクを削減する。
また、USB3.0やSATA、PCI Express(PCIe)、ギガビットイーサネット、QSPI、eMMCなどの高速インタフェースを内蔵している。グラフィックス、ビデオ機能としては、3Dグラフィックスエンジン、H.264および、4K対応のH.265コーデック、HDMI、LVDS、MIPI CSI-2カメラ入力といった各種インタフェースを備える。
今回、RZ/G Linuxプラットフォームとして、RZ/G2に対応するLinuxパッケージに10年超サポートのCIP用SLTS(Super Long Term Support)Linux Kernelを適用し、基本ソフト(GUIフレームワーク、3Dグラフィックス、H.264および、H.265コーデック、セキュリティ機能、ドライバソフト)を組み込んだ動作検証済みのパッケージソフト「Verified Linux Package」、Linux開発環境、RZ/G2搭載の評価ボードを提供する。
これによりユーザーは、HMI(Human Machine Interface)機能やネットワーク機能の開発がしやすくなり、優れたグラフィック表示機能を持つ産業用機器を早期に市場投入できる。また、Linuxのメンテナンスコストを大幅に削減できる。
同社はRZ/G2グループについて、グラフィック表示機能を持つ産業オートメーションや、ビルオートメーション分野における組み込み用MPUとしての用途を見込んでいる。
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