STマイクロエレクトロニクスは、機械学習機能を搭載した高精度、低消費電力のモーションセンサー「LSM6DSOX」を発表した。3軸MEMS加速度センサーと3軸MEMSジャイロセンサーを集積し、機械学習用コアを使って複雑な動作をトラッキングできる。
STマイクロエレクトロニクスは2019年2月、機械学習機能を搭載した高精度モーションセンサー「LSM6DSOX」を発表した。量産を開始しており、1000個購入時の単価は約2.50ドル。モバイル機器やウェアラブル機器に活用できる。
LSM6DSOXは、複数のセンサーを集積する同社の慣性計測モジュール「iNEMO」ファミリーの新製品。3軸MEMS加速度センサーと3軸MEMSジャイロセンサーを統合している。機械学習用コアを内蔵したステートマシンのロジック回路とともに動作し、モーションパターン認識や振動検出を処理する。
メインプロセッサで行うアクティビティトラッキングにおける最初の工程が不要になるため、消費電力を0.55mAに低減。バッテリー駆動時間を維持したまま、常時オン状態を可能とした。
また、大容量内蔵メモリとI3Cデジタルインタフェースを搭載しており、メインコントローラーとの通信頻度を低減して通信時間を短縮する。
アクティビティトラッキング機器に組み込むことで、PCベースのオープンソースアプリケーション「Weka」を用いて決定木による分類をコアに学習させることができる。これにより、加速度、速度、磁気角度などのサンプルデータから、検出するモーションデータのタイプを特徴付ける設定値や閾値を生成できる。
AndroidやiOSなどのモバイルプラットフォームに組み込め、医療機器や産業用スマート機器、コンシューマ機器に適する。自由落下検知、ウェイクアップ、6軸/4軸方向検知、クリック、ダブルクリックなどの割り込みに対応しており、ユーザーインタフェースの制御やノートPCの保護などの用途にも使用可能だ。
さらに、光学式手ブレ補正機能にも使用できる、独立した補助出力と設定オプションも用意する。
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