STマイクロエレクトロニクスは、±50ガウスの検出範囲を持つAMR地磁気センサーを内蔵し、高分解能と低消費電力を可能にした産業機器向け地磁気センサー「IIS2MDC」と、電子コンパス「ISM303DA」を発表した。
STマイクロエレクトロニクスは2018年7月、10年間の長期製造保証の対象となる産業機器向け地磁気センサー「IIS2MDC」と、電子コンパス「ISM303DA」を発表した。リードレスの2×2mmのLGA-12パッケージで提供され、単価はIIS2MDCが約0.85米ドル(約95円)、ISM303DACが約1.9米ドルとなる。
両製品は、±50ガウスの検出範囲を持つAMR(異方性磁気抵抗)地磁気センサーを内蔵し、高分解能と低消費電力を可能にした。I2C、SPIシリアルインタフェースを通じて16ビットのデジタル出力が可能だ。
ISM303DACには、最大±16gの選択可能な加速度検出範囲を備えた低ノイズ3軸加速度センサーを集積し、磁気的および物理的要素を用いたデュアルモードのタンパ検出ができる。地磁気センサーと加速度センサーの回路ブロックは個別に電源をオフにでき、消費電力を最小限に抑えることができる。
両製品ともに、磁界検知時の割込み信号の生成と、上位アプリケーション層からのハードアイロンオフセット補正が可能だ。
ISM303DACは、自由落下、タップ、ダブルタップ、活動中、停止中、6D方向検知、ウェークアップなどを検知した時に割込み信号も生成可能だ。内蔵のFIFOに加速度センサーのデータを保存してメインプロセッサの処理を最小限に抑え、システムの消費電力を低減できる。
開発サポートには、ドライバーおよび、傾き補正用電子コンパス、地磁気センサーの動的校正、6軸または9軸センサーフュージョンなどの各種サンプルソフトウェアが含まれている。
アダプターボードの「STEVAL-MKI185V1」(IIS2MDC用)と「STEVAL-MKI184V1」(ISM303DAC用)も提供され、標準DIL24ソケットに接続してMEMS専用ボードSTEVAL-MKI109V3などのマザーボードを使用すると、同社Unico GUIによる評価ができる。
低消費電流で信頼性の高いタンパ検出が求められるスマートメーター、FA(Factory Automation)機器、産業用ロボット、スマートビルディング、スマートセキュリティ、医療用機器などの用途における高精度のモーション検知や測距に適している。
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