低静止電流のスイッチングレギュレーター:日本TI TPS62840
日本テキサス・インスツルメンツは、静止電流が60nAと低い、スイッチングレギュレーター「TPS62840」を発表した。バッテリーで常時稼働する多様なソリューションのサイズを縮小し、効率を向上する。
日本テキサス・インスツルメンツは2019年7月、動作時静止電流が60nAと低い、スイッチングレギュレーター「TPS62840」を発表した。バッテリーで常時稼働するソリューションのサイズを縮小し、効率を向上する。1000個受注時の参考単価は0.85米ドルからとなる。
動作時静止電流は60nAで、競合品の3分の1に抑えた。1μAの軽負荷時の変換効率が80%と高く、バッテリーの寿命を延ばし、使用数を削減。サイズも小型化できる。結果として、全体的な電源ソリューションサイズの縮小やコスト削減が可能になる。
スイッチングレギュレーター「TPS62840」のイメージ
入力電圧範囲が1.8〜6.5Vと広いため、例えば直列リチウムイオン二次電池2個、1セルの塩化チオニルリチウム電池、4セルと2セルのアルカリ電池、リチウムイオンポリマー電池など、多様なバッテリー方式や構成に対応できる。
他に、選択可能なモードとストップ機能を備える。モードピンで連続導通(強制パルス幅変調)モードを使用すると、リップルやノイズの性能が向上する。ストップピンで全てのスイッチング動作をオフにした場合は、EMI(電磁干渉)やリップルが削減でき、信号ゆがみを最小限に抑える。高精度なシグナルチェーン部品やセンサー、無線ソリューションがなくても同等の機能を発揮できることから、ソリューションコストの削減につながる。
現在、8ピンSONおよび6ピンWCSPパッケージのサンプルを供給中だ。2019年後半には、熱特性強化型の8ピンHVSSOPパッケージの供給を予定している。評価モジュール「TPS62840-1DLCEVM55」「TPS62840-1YBGEVM56」も49米ドルで用意している。
- 業界最小の電流センスアンプとコンパレーター
日本テキサス・インスツルメンツは、リード付きパッケージで業界最小の電流センスアンプ「INA185」、オープンドレイン出力コンパレーター「TLV4021」、プッシュプル出力コンパレーター「TLV4041」を発表した。
- 3種類の産業用通信プロトコル実装のマイコン
日本テキサス・インスツルメンツは、3種類の産業用通信プロトコルを実装したC2000「F2838x」32ビットマイコンを発表した。64ビット浮動小数点ユニット、整数除算ハードウェアなどを搭載している。
- CAN FD制御回路とトランシーバー内蔵の車載向けSBC
日本テキサス・インスツルメンツは、CAN FD用コントローラーとトランシーバーを内蔵した、車載向けシステムベーシスチップ「TCAN4550-Q1」を発表した。SPIを使用し、CAN FDインタフェースの実装やCAN FDバスポート数を増設できる。
- 統合型RFサンプリングトランシーバー
日本テキサス・インスツルメンツは、4つのA-Dコンバーターと4つのD-Aコンバーターを1チップに集積した、統合型RFサンプリングトランシーバー「AFE7444」(4チャンネル内蔵)と「AFE7422」(2チャンネル内蔵)を発表した。
- 29kHzで調光動作するLEDドライバー
日本テキサス・インスツルメンツは、独立した色彩混合、輝度制御、パワーセーブモードなどを集積した、RGB LEDドライバーファミリー「LP50XX」を発表した。29kHzと人の可聴範囲外の周波数で調光動作を提供し、調光時の動作ノイズを防止する。
- 最大10kW対応の600V GaN FET
日本テキサス・インスツルメンツは、最大10kWの電力アプリケーションをサポートする、600V GaN FETデバイス「LMG341x」ファミリーを発表した。オン抵抗50mΩおよび、70mΩのGaN FETにドライバと保護機能を集積している。
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