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5G 人からモノへ 〜「未踏の時代」迎えた無線技術 特集

5G OTAテストのコンセプトと定義チップセット測定〜モバイルデバイス性能検証(3/3 ページ)

» 2019年11月25日 11時00分 公開
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クワイエットゾーン:電波暗室内のDUT周辺領域

 クワイエットゾーンとは、RFの伝搬が予測可能で不連続のない領域であり、精度と再現性のために重要です。RFパラメータテストや振幅、位相の高確度な測定が必要な場合には、特に重要となります。クワイエットゾーンには、デバイス全体かアンテナのみかにかかわらず、テスト対象の主要アイテムを含む十分な大きさが必要です。つまり、テスト対象のデバイスまたはアンテナのサイズにより、クワイエットゾーンのサイズ要件が決まります。もちろん、必要なクワイエットゾーンが大きくなると、必要な電波暗室のサイズも大きくなります(図5

図5

CATR:直接的遠方界(DFF)OTAテストに代わる方法

 コンパクト・アンテナ・テスト・レンジ(CATR)とは、間接的遠方界(IFF)によるOTAテストの方法です。CATRは曲面の反射鏡を使用して、物理的に近傍界を遠方界に変換します。実際のDUTのサイズ、開口部サイズ、周波数に依存しますが、レンジ長が短縮されてクワイエットゾーンが大きくなるため電波暗室のサイズを抑えられます。搬送波はパラボラ状の鏡で反射され、平面化されます。この球面波から平面波への変換により、ほとんど振幅と位相のリップルがない広大なクワイエットゾーンを得ることができます。またレンジ長の短縮もDUTとプローブ間の経路損失の抑制につながるため、測定ダイナミックレンジとS/N比が改善されます(図6

図6

まとめ

 5Gでは、ミリ波をOTA環境にてテストすることが主流な要求条件になってきていますが、民生用無線業界にとっては、まだ新しい測定課題です。その解決には、ミリ波やOTAテストのエキスパートと協力することが重要になります。


 5Gデバイスの課題ついての詳細は、こちらからご覧ください。また、最新の5Gソリューションについては、2019年11月27〜29日に開催される展示会「マイクロウェーブ展(MWE2019)」(会場:パシフィコ横浜)のキーサイトブース(小間番号:G-17)で展示します。

【著:Jessy Cavazos/Keysight Technologies, Inc. 5G Industry Solutions Marketing】

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