前編に続き、同じ故障を繰り返す電源ユニットの修理の様子を報告する。再修理から6カ月後、再び、同じ故障が起きた。今回は、ようやく“真の不良原因”を突き止めた再々修理の様子を紹介しよう。
前編に引き続き、サーボアンプに使われる電源ユニットの修理の模様を報告しよう。前編では、1度修理したものが再び同じ動作不良を起こし、再修理した様子を紹介した。再修理時にはさまざまな対策を施したため、自信を持って出荷したが、またもや半年後に動作不良になった――。納品して半年が経過しており本来は有償修理扱いだが、不具合原因を見極めるため無償で修理を引き受けた。今回の後編では、3度目の修理、“再々修理”で真の不良原因を突き止めた様子を紹介する。
図1に返却された基板の写真を示す。
返却された電源を確認すると今までの修理と同じ状態で、図1の右側の5V出力の2つの電解コンデンサーが見事にドライアップしていた。しかし、2度目の修理で電解コンデンサーを前に倒して出荷したはずなのに、まっすぐに立っていた。客先がケースを開けて、基板を確認したのかもしれない。
今までの修理を振り返ろう。1度目の修理では電解コンデンサーをそれまでの1000μF品から2200μFに交換した。それから3カ月後に再び不良が発生した。2度目の再修理時には、さらに電解コンデンサーを2200μF品から3300μF品へ交換。同時に放熱板を追加したところ、6カ月間、稼働した。
こうした経過から、電源の負荷が重く5Vの電流がオーバーし放熱板が過熱していることが不具合の原因と思われた。負荷の接続に間違いがないか客先へ確認を依頼した。
今できることは従来と同じ修理方法で電解コンデンサーの容量を4700μFに増やし、放熱板をさらに追加することくらいだ。再々修理した基板の写真を図2に示す。
図2で右側の2個の電解コンデンサーを4700μFへ交換し、放熱板の左側にアルミの放熱板を追加した。この対策で1年ぐらいは稼働できるだろう。AC100Vを通電して出力が正常なことを確認して、ケースに収めた。図3に示す。
しかしカバーが5mmほど開き、基板がケースに入らなかった。
アッ! これが原因だ!!
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