Maxim Integrated Productsは、ウェアラブル機器やヒアラブル機器向けで電池寿命が20%削減できるとする新しいPMIC「MAX77654」を発表した。1個で3出力が可能なバックブーストコンバーターの搭載により、システム効率向上とソリューションサイズ縮小も実現する。
Maxim Integrated Productsは2020年4月、ウェアラブル機器やヒアラブル機器向けで電池寿命が20%削減できるという、新しいマルチ出力(SIMO)のPMIC「MAX77654」を発表した。1000個以上購入時の単価は2米ドル。評価キットの「MAX77654EVKIT#」は、単価105米ドルで販売している。
MAX77654が備えるバックブーストコンバーターとインダクターは、それぞれ1個で3個分の働きをすることから、従来4チップで構成されていたシステムの効率を16%上回る91%を実現するという。さらに2個のLDO/負荷スイッチ、1個のバッテリーチャージャーやその他の受動部品を置き換えることで、ソリューションの50%小型化も実現する。
シャットダウン電流は500nA未満で、レギュレーター5個が動作する時の消費電流は6μAに抑えられている。また、ノイズに敏感なレールに対応して20mVp-p未満という優れた出力電圧リップル性能を発揮するという。
このため従来のディスクリートソリューションと比較し、バッテリー寿命を20%延長し、発熱を7分の1に低減するほか、部品点数を最大で40%、部品コストを最大23%減らすことができるとしている。
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