サンケン電気は、2コンバーター構成電源を1パッケージで制御可能なデジタル制御電源IC「MD6752」を開発した。コンバーター回路の簡素化により、電源基板サイズを10%小型化できる。
サンケン電気は2020年5月、2コンバーター構成電源を1パッケージで制御可能なデジタル制御電源IC「MD6752」を発表した。サンプルを単価500円で提供中で、同年8月には、同ICを実装したサンプル基板の出荷を開始する。
SOP28パッケージで提供され、内部がドライバICと論理制御ICの2チップで構成されている。ドライバICには、パワーMOSFET駆動用の600V対応ゲートドライバや高圧起動回路用の900V耐圧FETなどを集積。論理制御ICには、CMOS回路や不揮発性メモリの混載プロセスが用いられている。
論理制御ICのPFC(力率改善)用およびLLC用16ビットカウンターPWM(パルス幅変調)出力により、ブリッジレスPFCと全波電流共振コンバーターを1パッケージで制御可能になった。コンバーター回路が簡素化したことで、電源基板サイズを10%小型化できる。
MD6752と併せて、PFC回路とLLC回路の特性を変更できる開発環境ツールとして、PCアプリケーションを提供する。電源システムの開発には、評価確認に関する多くの工数が必要だが、このツールは特性値をGUI画面に入力するだけで、MD6752を電源システムにマッチングさせる制御プログラムを開発できるため、電源の試作期間を30%削減する。
主な用途として、高出力、高効率な電源が求められる、テレビや白物家電などのデジタル制御AC-DC電源を想定している。
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