燃料電池自動車向けの昇圧用パワーモジュール:デンソー 昇圧用パワーモジュール
デンソーは、燃料電池自動車向けにSiCパワー半導体を搭載した次期型昇圧用パワーモジュールの量産を開始した。新開発の車載用SiCトランジスタと車載用SiCダイオードを組み合わせた、小型で効率的なモジュールだ。
デンソーは2020年12月、燃料電池自動車向けに、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体を搭載した次期型昇圧用パワーモジュールの量産開始を発表した。新開発の車載用SiCトランジスタと、車載用SiCダイオードを組み合わせている。同月から販売しているトヨタ自動車の新型FCV(燃料電池自動車)「MIRAI」に搭載された。
昇圧用パワーモジュール
今回開発したSiCトランジスタは、独自のトレンチゲート構造と加工技術により、車載用途に必要な信頼性と性能を両立している。車載用SiCダイオードと組み合わせた新しい昇圧用パワーモジュールは、従来のSiパワー半導体搭載製品と比べて、体積を約30%削減、電力損失を約70%削減した。
同社は、超低欠陥のウエハーから高効率のパワーモジュールまで、高品質で低損失のSiC技術「REVOSIC(レボシック)」を開発。2014年にオーディオ向けにSiCトランジスタを実用化し、2018年には、車載用SiCダイオードがトヨタ自動車の燃料電池バス「SORA」に採用されている。
今後も、高温、高周波、高電圧環境下の性能が優れるSiCを活用した技術開発を進め、低電力損失、小型、軽量のSiCデバイスをハイブリッド車や電気自動車にも拡充し、低炭素社会の実現に貢献するとしている。
- 1200V対応、自然冷却のパワーMOSFET
インフィニオン テクノロジーズは、SiCパワーMOSFETファミリー「CoolSiC MOSFET」に1200V用に最適化された新製品を追加した。自然空冷を可能にしたことで冷却ファンや関連設備を不要とし、損失も従来比で最大80%削減できる。
- 4端子構成パッケージのSiC-MOSFET
三菱電機は、「SiC-MOSFET 1200V-Nシリーズ TO-247-4パッケージ」6品種のサンプル提供を2020年11月に開始する。4端子パッケージ採用により、従来品と比較してスイッチング損失を約30%低減した。
- 低電力損失と高い誤動作耐量を備えるSiC-MOSFET
三菱電機は、パワー半導体の新製品「SiC-MOSFET 1200V-N」シリーズ6品種のサンプル提供を開始する。低電力損失と高い誤動作耐量を両立しており、車載充電器や太陽光発電などの電源システムの低消費電力化、小型化に貢献する。
- SBDベースのSiCパワーモジュール
Microchip Technologyは、民生用ショットキーバリアダイオード(SBD)ベースのSiCパワーモジュールファミリーの提供を開始した。700V、1200V、1700V品をそろえる。
- SiCを用いた1200V耐圧パワー半導体
三菱電機は、SiCを用いた1200V耐圧パワー半導体「1200V SiC-SBD」5タイプを発表した。Siダイオードと比べてスイッチング損失を大幅に削減し、電力損失を約21%低減する。また、JBS構造の採用によりサージ電流耐量が高く、信頼性に優れる。
- 1200V、80mΩの産業・車載向けSiC MOSFET
オン・セミコンダクターは、産業用・車載用として認証済みのNチャンネルSiC MOSFETの新製品を発表した。インダストリアルグレードの「NTHL080N120SC1」と、AEC-Q101準拠のオートモーティブグレードの「NVHL080N120SC1」を提供する。
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