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燃料電池自動車向けの昇圧用パワーモジュールデンソー 昇圧用パワーモジュール

デンソーは、燃料電池自動車向けにSiCパワー半導体を搭載した次期型昇圧用パワーモジュールの量産を開始した。新開発の車載用SiCトランジスタと車載用SiCダイオードを組み合わせた、小型で効率的なモジュールだ。

» 2020年12月18日 09時00分 公開
[EDN Japan]

 デンソーは2020年12月、燃料電池自動車向けに、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体を搭載した次期型昇圧用パワーモジュールの量産開始を発表した。新開発の車載用SiCトランジスタと、車載用SiCダイオードを組み合わせている。同月から販売しているトヨタ自動車の新型FCV(燃料電池自動車)「MIRAI」に搭載された。

昇圧用パワーモジュール

体積を約30%削減、電力損失を約70%削減

 今回開発したSiCトランジスタは、独自のトレンチゲート構造と加工技術により、車載用途に必要な信頼性と性能を両立している。車載用SiCダイオードと組み合わせた新しい昇圧用パワーモジュールは、従来のSiパワー半導体搭載製品と比べて、体積を約30%削減、電力損失を約70%削減した。

 同社は、超低欠陥のウエハーから高効率のパワーモジュールまで、高品質で低損失のSiC技術「REVOSIC(レボシック)」を開発。2014年にオーディオ向けにSiCトランジスタを実用化し、2018年には、車載用SiCダイオードがトヨタ自動車の燃料電池バス「SORA」に採用されている。

 今後も、高温、高周波、高電圧環境下の性能が優れるSiCを活用した技術開発を進め、低電力損失、小型、軽量のSiCデバイスをハイブリッド車や電気自動車にも拡充し、低炭素社会の実現に貢献するとしている。

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