SiCを用いた1200V耐圧パワー半導体:三菱電機 1200V SiC-SBD
三菱電機は、SiCを用いた1200V耐圧パワー半導体「1200V SiC-SBD」5タイプを発表した。Siダイオードと比べてスイッチング損失を大幅に削減し、電力損失を約21%低減する。また、JBS構造の採用によりサージ電流耐量が高く、信頼性に優れる。
三菱電機は2019年3月、SiC(炭化ケイ素)を用いた1200V耐圧パワー半導体「1200V SiC-SBD(Schottky Barrier Diode)」5タイプを発表した。同年6月からサンプル提供を開始し、2020年1月から順次発売する。サンプル価格は定格10Aが600円、定格20Aが1000円となっている(税別)。
左=パワー半導体「1200V SiC-SBD」TO-247パッケージの製品外観/右=パワー半導体「1200V SiC-SBD」TO-247-2パッケージの製品外観
SiCを採用した1200V SiC-SBDは、Si(シリコン)ダイオードと比べてスイッチング損失を大幅に削減し、電力損失を約21%低減する。高速スイッチングが可能で、リアクトルなどの周辺部品を小型化する。
また、pn接合とショットキー接合を組み合わせたJBS(Junction Barrier Schottky)構造を採用している。これにより、サージ電流耐量が定格1200V/10Aでは95A、1200V/20Aでは155Aと高く、信頼性に優れる。
パッケージは、一般的なTO-247パッケージの「BD10120S」「BD20120S」に加え、絶縁距離を拡大したTO-247-2パッケージの「BD10120P」「BD20120P」を用意し、さまざまな用途に対応する。他に、車載電子部品の品質規格AEC-Q101に準拠した、TO-247パッケージの「BD20120SJ」をラインアップしている。
外形サイズは、いずれも15.9×41.0×5.0mm。RoHS指令にも準拠している。
- 638nm赤色高出力半導体レーザー
三菱電機は、プロジェクター用光源の新製品として、発光波長638nmの赤色高出力半導体レーザー「ML562G86」を発表した。レーザー素子の構造や製造プロセスを改良し、パルス駆動光出力3.0WにおいてMTTFが2万時間以上を達成した。
- 定格75Aを可能にしたパワー半導体モジュール
三菱電機は、パワー半導体モジュール「1200V 大型 DIPIPM Ver.6」シリーズのラインアップを拡充し、40kW級のパッケージエアコンに対応する75A/1200V品「PSS75SA2FT」を発売した。
- メニスカスレンズ内蔵の赤色高出力半導体レーザー
三菱電機は、独自のメニスカスレンズを内蔵した、発光波長638nmの赤色高出力半導体レーザー「ML562H84」を発表した。レーザー光の利用効率は98%以上で、コリメートレンズを外付けした従来品と同等のパルス駆動光出力2.5Wを達成している。
- 最大級の電流密度を誇るパワー半導体モジュール
三菱電機は、電鉄や電力などの大型産業機器向けに、大容量パワー半導体モジュール「HVIGBTモジュールXシリーズ LV100タイプ」2種を発表した。大電流密度により、インバーターの高出力化や高効率化に寄与する。
- 第7世代IGBTを搭載したパワー半導体モジュール
三菱電機は、第7世代IGBTを搭載したパワー半導体モジュール「IPM G1」シリーズのサンプル提供を開始した。産業用機器の低消費電力化/小型化に対応するという。
- 650V GaN FETパワー半導体をPFCに採用
トランスフォームは、同社の高電圧650V GaN(窒化ガリウム)FETパワー半導体「TP65H035WS」が、シーソニックエレクトロニクスの1.6kWブリッジレストーテムポールPFC(力率改善)プラットフォーム「1600T」に採用されたと発表した。
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