前回に続き、パワーコンディショナー(以下、パワコン)の修理の様子を報告する。パワコンの修理は初めてなので基板の実装部品を眺めて回路を把握することから始めた。
前回に続き、パワーコンディショナー(以下、パワコン)の修理の様子を報告する。パワコンの修理は初めてなので基板の実装部品を眺めて回路を把握することから始めた。電源基板を図1に示す。
図1の左側の上と下にヒューズがあった。左上のコネクターにAC100Vが接続され、左下の大型のコネクターには太陽電池のDC電圧が接続されるようだ。依頼者へ確認すると左下のコネクターにはDC26Vを接続していたらしい。
次は電源の制御ICを確認した。18ピン電源制御ICが中央上側と中央左下側にあった。上側のICは「FA5331P」という型番で力率改善回路(PFC)制御用ICだった。下側はシルクが読めなかったがコーティングを剥がしIPA(イソプロピルアルコール)で拭くと「MB3759」の文字が読み取れた。このICはどうやら少し古いスイッチング電源の制御用ICのようだ。このICの左側にトランスが3個あり、制御基板の電源を生成しているようだ。基板の右側には放熱板と大型のトランスとコイルと高耐圧の電解コンデンサーがあり、ここで出力電源を作っているらしい。太陽電池の26Vは下側にあるリレーとコイルを通して昇圧して高耐圧の電解コンデンサーへ充電されているようだ。電源基板の動作概要は把握できた。まずはPFC制御用のFA5331Pの動作を確認した。図2に示す。
図2中央にあるのがPFC制御ICのFA5331Pだ。AC100Vの電源を入れるとFA5331Pの電源端子にDC15Vが印加され出力端子から信号が出ていた。接続先を確認したらトランスを駆動しているFETのゲートではなく、図1左のフォトカプラ「TLP521」の「PHC4」の入力端子だった。フォトカプラPHC4の入力と出力の波形を図3へ示す。
図3右側の信号は制御基板へ供給されていた。AC電源の変化の波形を観測しているようだ。
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