マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「Octo SPIって何?」についてです。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、中級者から多く寄せられる質問です。
マイコンのカタログや説明書に「Octo SPI搭載」と書かれています。「Octo SPI」とはそもそも何ですか? どのような機能で、どのような場合に使うのでしょうか?
Octo SPI は、本連載の第20回「Quad SPIって何?」で解説した「Quad SPI」の8ビット拡張版パラレル通信機能です。
第20回の「Quad SPIって何?」を掲載した2015年以降、さらに繊細なグラフィックや幅広いマルチメディア、多量のデータを必要とするコンテンツへの需要が高まってきました。そのため、Quad SPIよりもデータ・スループットを向上させたOcto SPIがマイコンに搭載されるようになりました。
「Quad SPI」と同じようにメモリマップドモードを使うと、外部メモリに対して内部メモリのようにアクセスすることができます。これにより、システムのバスマスタ(例:DMAなど)は、CPUが停止している低消費電力モードでも外部メモリに自動的にアクセスすることができ、モバイルアプリケーションやウェアラブルアプリケーションにおいて、外部メモリのアクセス効率をさらに向上させることができます。
図1にSTマイクロエレクトロニクス(以下: ST)の汎用32ビットマイクロコントローラ(マイコン)「STM32L4+シリーズ」*1)に搭載されている「Octo SPI」を示します。
*1)STM32L4+シリーズ
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