DC1500V対応の2.0kV耐電圧IGBTモジュール:三菱電機 CM400DY-40T
三菱電機は、産業向け2.0kV IGBTモジュール「T」シリーズとして、「CM400DY-40T」を発売する。DC1500Vの電力変換機器に適したIGBTモジュールで、同社によると2.0kV耐電圧は業界初となる。
三菱電機は2021年6月、産業向け2.0kV IGBTモジュール「T」シリーズとして、「CM400DY-40T」を同月30日に発売すると発表した。DC1500Vの電力変換機器に適したIGBTモジュールで、同社によると2.0kV耐電圧は業界初になる。サンプル価格は3万7400円(税込)。
2.0kV IGBTモジュール「CM400DY-40T」
2.0kV耐電圧のため、従来の1.7kV耐電圧品では困難だった、DC1500V電力変換機器に対応する。サイズは80×110mmで、定格電流は400A、絶縁耐電圧は4kVrmsになる。
キャリア蓄積効果を利用した独自のCSTBT構造を用いた第7世代IGBTや、RFCダイオードを高耐電圧対応とし、従来はトレードオフになっていた高電圧動作と低電力損失を両立した。
同製品を用いることで、直列接続した4つのIGBTと電圧中性点に接続した2つのクランプダイオードで1相を構成する3レベルNPC回路(Iタイプ結線)など、部品点数が多い回路構成が不要になる。これにより、再生可能エネルギー電源用の電力変換機器の小型化や低消費電力化につながる。
DC1500Vは、欧州で発行される低電圧指令の上限電圧となる。近年、再生可能エネルギーを電源とする電力系統では、システム内部で使用するインバーターなどの電力変換機器で、DC1500V対応品の需要が高まっている。
- 定格電流600Aの大型産業機器向けHVIGBT
三菱電機は、耐電圧3.3kV、絶縁耐圧10kVrmsの「HVIGBTモジュール Xシリーズ dualタイプHV100」2品種のサンプル提供を2021年4月から開始する。定格電流600Aにより、大型産業機器向けインバーターの高出力、高効率化に対応する。
- 従来より40%高速動作する600VゲートドライバIC
日本テキサス・インスツルメンツは、サーバや産業用製品の電源により高い電力密度を供給するゲートドライバ「UCC27714」を発表した。既存のICと比較して40%高速動作を可能にするという。
- 最大級の電流密度を誇るパワー半導体モジュール
三菱電機は、電鉄や電力などの大型産業機器向けに、大容量パワー半導体モジュール「HVIGBTモジュールXシリーズ LV100タイプ」2種を発表した。大電流密度により、インバーターの高出力化や高効率化に寄与する。
- 高耐圧デバイス用パッケージの3.3kV IGBTモジュール
インフィニオン テクノロジーズは、高耐圧デバイス向けの新パッケージ「XHP 3」を採用した、3.3kV IGBTモジュールを発表した。6kVの「FF450R33T3E3」と、10.4kVの「FF450R33T3E3_B5」の2種類の絶縁クラスを提供する。
- パワーデバイス向けプリドライブ用フォトカプラ
東芝デバイス&ストレージは、保護機能を搭載した中大電流IGBTとMOSFETプリドライブ用フォトカプラ「TLP5231」の量産出荷を開始した。産業用インバーターや太陽光発電用パワーコンディショナーなどの用途を見込む。
- 600V耐圧の小型インテリジェントパワーデバイス
東芝デバイス&ストレージは、600V耐圧の小型インテリジェントパワーデバイス「TPD4162F」を発売した。高耐圧SOIプロセスの採用により、電力損失を従来品から10%低減。機器の変換効率向上に貢献する。
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