日本テキサス・インスツルメンツは、サーバや産業用製品の電源により高い電力密度を供給するゲートドライバ「UCC27714」を発表した。既存のICと比較して40%高速動作を可能にするという。
日本テキサス・インスツルメンツは2015年9月、ディスクリート構成のMOSFET/IGBT向けに、最大600V動作のハーフブリッジゲートドライバ「UCC27714」を発表した。サーバや産業用製品の電源向けに、より高い電力密度を供給するという。
UCC27714は、ソース/シンク電流容量4Aのハイサイド(高電圧側)/ローサイド(低電圧側)ドライバとなる。2次側制御電源のゲートドライブ回路の実装面積を50%削減し、産業用電源に用いられる高スイッチング周波数のオフラインAC-DC電源で、高い電力密度を可能にした。
伝搬遅延時間は、既存のICに比べて40%短い90ns(定格値)。−40〜125℃の温度範囲では最大値125ns、同温度範囲でチャネル間の伝搬遅延時間の差は最大値20nsと、より緊密に伝搬遅延時間を制御できる。また、体積の大きなゲート駆動トランスが必要ないため、高い周波数のスイッチングモード電源回路の基板面積を削減するという。
スイッチノードピンは−6Vの負電圧に対応し、ノイズへの耐久性が向上しているため、異常発生を抑制した電子システムを構築できる。4Aの電流ドライブ能力により、数W〜1kWまで、幅広い電力範囲のMOSFETの駆動能力を備えた。動作温度範囲は−40〜125℃で、電気的特性の変動が小さいため、設計を簡素化し市場投入までの期間を短縮できる。
UCC27714は、SOIC-14パッケージで供給され、1000個の単価は1.75米ドル。市場投入期間の短縮に役立つ評価モジュール「UCC27714EVM-551」なども提供する。力率補正(PFC)機能を内蔵した「UCC29950」と組み合わせたPFC+LLCコントローラを使うことで、定格電力が数100WのオフラインAC-DC電源の設計も可能になるとしている。
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