実際に、PD1500Aを使ってSiCパワーMOSFETのドレイン電圧が高い領域のId-Vd特性を測定した結果が図2である。測定結果が得られれば、これを使ってSiCパワーMOSFETのデバイスモデルのパラメータを最適化することができる(図4)
このデバイスモデルを適用した回路シミュレーションで求めたスイッチング軌跡が図5である。いままでは、スイッチング軌跡の測定結果とシミュレーション結果にかなり大きな乖離があったが、図5では両者がほぼ一致する結果が得られた。SiCパワーMOSFETのデバイスモデルの精度が大幅に向上したといえるだろう。
次に、このデバイスモデルを使ってSiCパワーMOSFETを採用した電源回路のスイッチング特性を解析した(図6)。スイッチング時の電圧波形と電流波形のどちらも、立ち上がり/立ち下がりのタイミングや、波形の傾きなどが測定値とほぼ一致している。この結果であれば、電力損失をかなり正確に見積もることができ、変換効率を高い精度で計算できるようになる。これだけ高い解析精度が得られれば、SiCパワーMOSFETを採用した電源回路の設計に回路シミュレーションを有効活用できるだろう。
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