依頼者に電源制御IC部分の拡大写真を送ってもらったところ、3個とも同じ型名のICだった。図3に示す。
電源制御ICと思われる部品の型名は「MCZ3001DB」だった。Webで検索するとデータシートが見当たらなかったもののIC周辺の図面が出てきた。図4に示す。
図4で電源端子は18ピンだ。図3の部品配置からマークを入れたが、C6513の47μF/25V電解コンデンサーがサブ電源のコンデンサーと思われた。依頼者にこのコンデンサーのプラス側が18ピンへ接続されているかどうかの確認を依頼した。すると『コンデンサーのプラス端子は18ピンにつながっていない』という返事だった。
「そんなはずはない。電源にパスコンが付いていないICなんてありえない」と思った。データシートが開示されていないのでテレビメーカーの専用ICだろう。いわく付きのICかもしれないと思われたので、もう少し詳しくWebでICのデータシートを探したところ、やっと機能図が見つかった。図5に示す。
図5からすると12ピンと16ピンがトランスを駆動するFETのゲートを制御していた。図5で8ピンが電源で10ピンと14ピンが出力の電源と思われた。3つに電源が入ればこのICの出力は安定するようだ。ICの応用回路で周辺の回路図をWebで再度検索すると、回路図も見つかった。次ページに図6として示す。
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