大日本印刷は、5Gに用いるミリ波帯やSub6帯において、周波数の電波のみを選択的に吸収して干渉や漏えいを防ぐシートを開発した。薄型かつ軽量で、さまざまな場所に施工、設置できる。
大日本印刷は2022年6月、5G(第5世代移動通信)に用いるミリ波帯(28GHz帯)やSub6帯(3.7GHz帯、4.5GHz帯)において、周波数の電波のみを選択的に吸収して干渉や漏えいを防ぐシートを開発したと発表した。
ミリ波帯対応シートが厚さ0.3mm、重さ0.5kg/m2、Sub6帯対応シートが厚さ1.6mm、重さ3kg/m2となっており、薄型かつ軽量だ。重量やサイズなどの制約から設置箇所が限られる既存の電波吸収シートと異なり、さまざまな場所に施工、設置できる。
ミリ波帯やSub6帯における特定の周波数の電波に対する吸収量は、−15dB以下となる。顧客の要望に合わせて、吸収する電波の周波数帯を調整した製品を提供できる。
また、同社独自のEB(電子線)コーティング技術を採用しており、屋外でも利用可能な耐候性や耐傷性を有する。木目調など、同社のさまざまな意匠を施した建具用シートなどとも併用可能で、景観を損ねずに利用できる。
今後、同シートの実証実験を進め、2023年までの製品化を目指す。また、フィルム型アンテナおよびリフレクトアレイなど、5G向けの電波制御部材や同社の建装材と組み合わせ、景観を損ねない5G通信用電波環境ソリューションの提供を図る。
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