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直流/交流の電流測定、周波数測定と仕様の見方初めて使うデジタルマルチメーター(3)(1/9 ページ)

デジタルマルチメーターの基礎的な使い方について解説する本連載。今回は直流/交流の電流測定および周波数測定と仕様の見方について説明する。

» 2022年10月26日 10時00分 公開
[TechEyesOnline]
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 本記事は、計測器専門の情報サイト「TechEyesOnline」から転載しています。

直流電流を測定するための結線

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 デジタルマルチメーターの内部にはシャント抵抗が組み込まれており、測定電流をシャント抵抗に流すことによって発生する電圧を、高分解能A-D変換器によって数値化する仕組みとなっている。

 今回の解説記事で使う34461Aでは、3Aレンジまでを測定する入力端子と10Aレンジで測定する端子は別々にある。

 3Aレンジまでの測定をする場合の測定対象との結線は、下図のようになる。

図1:34461Aの3Aレンジまでの直流電流を測定する場合の結線[クリックで拡大]

 10Aレンジの測定をする場合の測定対象との結線は、下図のようになる。電流値が大きくなるので、クリップやグラバー使う場合は接触抵抗を考慮する必要がある。可能であればネジ端子などを使うことを勧める。

図2:34461Aの10Aレンジでの直流電流を測定する場合の結線[クリックで拡大]

デジタルマルチメーターの直流電流測定の仕様表現

 直流電流測定の仕様には負荷電圧という項目がある。電流測定回路にはシャント抵抗やヒューズなど抵抗値を持つ部品がデジタルマルチメーターの内部にあるため、これらによって発生する電圧を負荷電圧と呼んでいる。電流値が大きくなるほど負荷電圧値は大きくなる。3A以下のレンジと10Aレンジでは入力回路が異なるため、10Aレンジの負荷電圧は小さくなっている。

表1:34461Aでの直流電流測定の仕様表現
レンジ 負荷電圧 24時間
TCAL±1℃
90日間
TCAL±5℃
1年間
TCAL±5℃
2年間
TCAL±5℃
温度係数/℃
100μA <0.011V 0.010+0.020 0.040+0.025 0.050+0.025 0.060+0.025 0.0020+0.0030
1mA <0.11V 0.007+0.006 0.030+0.006 0.050+0.006 0.060+0.006 0.0020+0.0005
10mA <0.05V 0.007+0.020 0.030+0.020 0.050+0.020 0.060+0.020 0.0020+0.0020
100mA <0.5V 0.010+0.004 0.030+0.005 0.050+0.005 0.060+0.005 0.0020+0.0005
1A <0.7V 0.050+0.006 0.080+0.010 0.100+0.010 0.120+0.010 0.0050+0.0010
3A <2.0V 0.180+0.020 0.200+0.020 0.200+0.020 0.230+0.020 0.0050+0.0020
10A <0.5V 0.050+0.010 0.120+0.010 0.120+0.010 0.150+0.010 0.0050+0.0010
注1)確度仕様の表現は±(読み値の%+レンジの%)となっている。
注2)仕様は、K=2のISO/IEC 17025(JIS Q17025)に準拠している。
注3)温度係数はTCAL±5℃から外れる場合、1℃外れるごとにこの値が追加される。
注4)負荷電圧は入力のシャント抵抗の値がレンジによって異なるために生じる。

 直流電圧測定と同じように、誤差表現はレンジによる誤差と読み値による誤差および温度係数に別れる。

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