マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「LED照明の調光やモーター制御などで使える電流制限制御の裏ワザ」についてです。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、中級者から多く寄せられる質問です。
LED照明やモーター制御といった出力が電流に比例するシステムで、機器が破壊されないように与える電流を指定した値以下に制御したいです。出力電流を制限するような制御はどうすれば可能でしょうか? A-Dコンバーターを使用して電流を計測し、出力値を制御する方法を検討しましたが、安価なマイコンでは処理時間が間に合わないと考えています。
出力の可変には、一般的にPWMという方法が使われます。これにコンパレーターとD-Aコンバーターを組み合わせることで、電流制限制御をする方法があります。電流値を電流検出用抵抗によって電圧値に変換し、この電圧値とD-Aコンバーターから出力された電流制限用電圧値をコンパレーターで比較し、電流値が指令値より高くなった場合にPWM出力をOFFすることで、電流値が指令値を超えないように制御します。
電流制限制御のように、極めて短い応答時間が要求される使用方法の場合、A-Dコンバーターを使用して電流値の計測/制御を行うよりも、短い応答時間をより安価で実現可能です。
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