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修理品の検査に便利なカーインバーターを発見!Wired, Weird(1/3 ページ)

修理品の通電テスト用にスライダック(単巻可変変圧器)のようなものがほしいと常々、物色してきた。そんな中で、入力電圧に応じてAC220Vまでの電源を生成できそうな“カーインバーター”を見つけた。

» 2023年07月24日 11時00分 公開
[山平豊(Rimos)EDN Japan]

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 電子機器の修理において、修理後の通電には細心の注意が必要だ。修理ミスや部品不良を見落としたまま通電してしまうと、電源が破損する可能性があるためだ。そうした電源破損を防ぐためには、電力を制限して通電する必要がある。そこで筆者はこれまで、ヒューズ代わりに抵抗を入れたAC配線を作ったり、DC24V電源3つを直列接続した上で可変の安定化電源を直列につないで電流を見ながら電力を調整できる電源を作ったりと、さまざまな工夫で対処してきた。

 ただ、いろいろと面倒で「供給電力の小さいスライダック(単巻可変変圧器)があれば、修理した電源の調整や検査が楽に実施できるのに……」とスライダックのように使える低出力インバーターを常日頃から探していた。

海外通販サイトで、使えそうなインバーターを発見!

 ある日、海外の通販サイトで修理に使うための安価な部品や新しいツールを物色していると、待望のインバーター候補が見つかった。その候補とは、自動車のシガーソケットのDC電源からAC電源を生成する150Wカーインバーターだ。DC12V入力でAC110V、DC24V入力でAC220Vが出力できるというスペックだ。

 「入力をDC12Vから24Vの間で調整すれば、AC110VからAC220VのAC電源を生成できるスライダックのような可変電圧電源になるのでは?」と思い付いた。図1にそのカーインバーターを示す。

図1:購入したカーインバーターと治具[クリックで拡大]

 図1はカーインバーターと治具だ。通販サイトには「疑似正弦波」との記載もあり、「小電流のAC変圧器として使える」との思いを強くし購入した。価格は1000円程度と安価だった。

いざ購入してみると……

 手元に届き早速、確認すると、なんとAC出力のインバーターではなくDC出力の“コンバーター”だった。表示されたスペックと違うので販売元と交渉したところ、「代金を払い戻し、返送する必要もない」という返答だった。なお、現時点で通販サイトを確認すると「DC出力」と表記が改められている。

 残念ながらAC出力ではなかったが、修理機器に電源を供給する直流可変電圧電源として使えるだろう。というわけで、思いがけず無償で入手した“DC出力のカーインバーター”の入出力特性を測定してみた。次ページに図2を示す。

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