77GHzミリ波レーダーセンサーなど車載用チップ3品種：TI AWR2544、DRV3946-Q1、DRV3901-Q1

テキサス・インスツルメンツは、車載用半導体チップ3品種を発表した。77GHzミリ波レーダーセンサーチップ「AWR2544」と、ソフトウェアプログラマブルなドライバーチップ「DRV3946-Q1」「DRV3901-Q1」を提供する。

[EDN Japan]

　テキサス・インスツルメンツは2024年1月、車載用半導体チップ3品種を発表した。77GHzミリ波レーダーセンサーチップ「AWR2544」とソフトウェアプログラマブルなドライバーチップ「DRV3946-Q1」「DRV3901-Q1」で、自動車の安全性とインテリジェンスの向上を目的として設計している。

車載用半導体チップの利用イメージ 出所：テキサス・インスツルメンツ

自動車のセンシング距離を200m以上まで延長

　AWR2544は、衛星レーダーアーキテクチャ向けの設計を採用。複数のレーダーセンサーは、ADAS（先進運転支援システム）の意思決定をする集中型プロセッサへ事前処理済みのデータを送信する。このプロセッサは、センサーフュージョンアルゴリズムを採用し、センサーの検出範囲を360度にして自動車の安全性をより高める。

　また、立体配置パッケージ「LOP（launch-on-package）」を活用し、3D導波管アンテナをプリント基板の裏面に配置できる。これにより、センサーサイズを最大30％小型化した。LOPの採用により、シングルチップでセンサーの検出範囲が200m以上まで延長している。

　フル統合型接触器ドライバーのDRV3946-Q1は、BMS（バッテリー管理システム）や他のパワートレインシステムに適している。ピーク時とホールド時の電流コントローラーを搭載し、自動車メーカーによるシステムの電力効率向上に寄与する。接触器の状態を監視するため、安全性診断機能も実装した。

　DRV3901-Q1は、パイロヒューズ向けのスクイブドライバーを内蔵した、フル統合型スクイブドライバーだ。パイロヒューズを監視するための内蔵回路を使用し、パイロヒューズのインテリジェントな接続解除システムで診断情報をシステムマイコンに提示する。EV（電気自動車）などのBMS設計者は、従来の溶断式ヒューズシステムの代わりにパイロヒューズを使用でき、設計の複雑さを最小化する。