設計の簡素化を実現する高精度の電流センサー:日本TI TMCS1123、EZShunt
日本テキサス・インスツルメンツは、絶縁型ホール効果電流センサー「TMCS1123」と電流シャントモニター「EZShunt」シリーズを発表した。
日本テキサス・インスツルメンツは2023年8月、絶縁型ホール効果電流センサー「TMCS1123」と電流シャントモニター「EZShunt」シリーズを発表した。広範囲の同相電圧と温度範囲に対応可能な設計を採用している。
ホール効果電流センサー「TMCS1123」と電流シャントモニター「EZShunt」 出所:日本テキサス・インスツルメンツ
TMCS1123は、強化絶縁型動作電圧が最大1100VDC、最大感度誤差が±0.75%、温度ドリフトが50ppm/℃、寿命全体でのドリフトが±0.5%となる。帯域幅は250kHzで、伝搬遅延は600ナノ秒に抑えた。パッケージは、10.3×10.3mmの10ピン小型アウトラインICを採用している。
電気自動車の充電ステーションや太陽光発電向けインバーターなど、高電圧システムでの用途に適する。同年10〜12月には帯域幅を拡張した「TMCS1123」、2024年4〜6月には車載認証を取得した製品を発売予定だ。
EZShuntシリーズは、シャント抵抗を内蔵しており、設計を簡素化できる。低コストオプションと高精度オプションをそろえ、ドリフトは25ppm/℃となる。1.319×1.239mmと小型の「INA700」、75Aの直流電流、最大85Vの同相電圧に対応可能な「INA781」などを用意。2024年4〜6月には、アナログバージョンと車載バージョンをそれぞれ発売する。
両製品ともサンプル提供中で、参考価格はTMCS1123が2.37米ドル(約350円)から、EZShuntシリーズが0.8米ドル(約120円)から。評価ボードも購入可能で、どちらも価格は各49.99米ドル(約7300円)だ。
- TMR素子採用のコアレス電流センサー
村田製作所は、コアレス電流センサー「MRD」シリーズを開発し、量産を開始した。TMR素子を採用しており、−40〜+105℃の温度範囲で電波を測定できる。
- 車載用の高精度コアレス電流センサー
インフィニオン テクノロジーズは、車載用コアレス電流センサー「XENSIV TLE4972」を発表した。ハイブリッドカーや電気自動車用のトラクションインバーターや、バッテリーのメインスイッチなどの用途に適する。
- 高電流コアレス用TMRクローズドループセンサー
TDK-Micronasは、製品ポートフォリオに、高電流コアレスアプリケーション向けTMRクローズドループセンサー「CUR 423x」を追加した。磁界集束コア不要の小型モジュールで、ISO26262 ASIL-Bレベルの機能安全診断に対応し、自動車向けのAEC-Q100に準拠している。
- AC-DC大電流の高確度測定用貫通型センサー
日置電機は、AC-DC 2000Aの大電流を1つのセンサーにより高確度で測定する貫通型電流センサー「CT6877」を発表した。電気自動車やハイブリッド自動車に搭載されるインバーターやバッテリーの評価などに適している。
- 電力損失ゼロの小型非接触電流センサー
ロームは、電力損失ゼロの非接触電流センサー「BM14270MUV-LB」を発表した。高感度のMI素子(磁気インピーダンス)を利用し、センサー内に配線を引き込むことなく、完全非接触で電流検知ができる。
- 大電流化、高速化対応のAC-DCカレントセンサー
日置電機は、大電流化、高速化に対応するAC-DCカレントセンサー「CT6875」「CT6876」を発売した。高精度、広帯域など、電流センサーに求められる要求仕様に対応できるよう、従来製品から大幅に性能が向上している。
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