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USB Type-Cの電源制御ってどうやっているの?Q&Aで学ぶマイコン講座(93)(9/10 ページ)

» 2024年08月05日 10時00分 公開

USB Type-Cによる電源制御の実例

 それでは実際の応用例として、USB Type-C充電器でスマートフォンなどのバッテリー駆動デバイスを急速充電する例を見てみましょう。急速充電を実現するには、USBの標準である5Vよりも高い電圧を印可し、より高電流をバッテリーへ流す必要があります。5Vよりも高い電圧を供給するためには、USB PDによるネゴシエーションが必要です。

 実際に、USB Type-C充電器で、スマートフォンの間のUSB Type-CのCCラインを介した通信をモニターして調べてみましょう。STが提供しているSTM32G0 Discoveryボードと、STM32CubeMonitor UCPD*2)を使用することで、通信内容のモニターができます(図7

<strong>図7:STM32G0 DiscoveryボードとSTM32CubeMonitor UCPDによる通信モニタリング</strong> 図7:STM32G0 DiscoveryボードとSTM32CubeMonitor UCPDによる通信モニタリング[クリックで拡大]

 この通信モニターの内容から、通信手順を理解できます。STM32CubeMonitor UCPDを使用して得た通信ログの内容から調査した、USB Type-C充電器でスマートフォンの間のVBUS供給電圧を5V→9Vに変更した際の通信手順を図8に示します。この通信手順では、USB PDのプロトコル層で説明したデータメッセージの「Source_Capabilitiesメッセージ」、コントロールメッセージの「GoodCRCメッセージ」「Requestメッセージ」「Acceptメッセージ」「PS_RDYメッセージ」を使用しています。

<strong>図8:VBUS供給電圧を5V→9Vに変更時の通信手順例</strong> 図8:VBUS供給電圧を5V→9Vに変更時の通信手順例[クリックで拡大]

*2)STM32CubeMonitor UCPD

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