マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「USB Type-Cの電源制御方法」についてです。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、中級者から多く寄せられる質問です。
USB Type-Cは、給電側(ソース)/受電側(シンク)がどちらも同じ形状のコネクターですが、どのように違いを判断しているのでしょうか? また、5V以上の電圧を出力する際、どのように制御されているのでしょうか?
マイコンでUSB Type-Cを使用して電力供給を制御する場合、どのようにすればよいのでしょうか?
USB Type-CとPower Delivery(PD)の仕様により、USB Type-Cポートを搭載した機器では、5V/9V/15Vで最大3A、20Vで最大5A、最大100Wの電力供給を行うことができます。
USB Type-CとPDでは、CCラインのプルダウン/プルアップ抵抗による判別により、ソース/シンクを判断します。また、5Vを超える電圧を供給する場合、USB PDに準拠した通信手順が必要になります。この場合、ソースからシンクに対して、ソースから供給可能な電圧/電流の構成を通知します。シンクからソースに供給してほしい電源構成を要求した後、ソースは要求された電源構成に基づき、VBUS端子に供給する電源を変更します。
USB Type-Cの電源制御は、次のUSB Type-Cコンフィギュレーションプロセスによって行われます。
コンフィギュレーションプロセスは”Universal Serial Bus Type-C Cable and Connector Specification Release 2.0 August 2019”によって定義されています。
また、USB PDの詳細は“Universal Serial Bus Power Delivery Specification Release 2.0 August 2019”によって定義されています。
マイコンでUSB Type-Cを使用して電力供給を制御する場合、外付けのUSB Type-Cコントローラーを使用するか、STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)のSTM32G0マイコン*1)など、USB Type-C PDインタフェース(UCPD)を内蔵したマイコンを使用します。
*1)STM32G0マイコン
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