エイブリックは、ノートPC向けセカンドプロテクトIC「S-82M3/M4」シリーズおよび「S-82L4」シリーズを販売開始した。過充電保護や温度保護、定電圧出力回路を搭載している。
エイブリックは2024年12月、ノートPC向けセカンドプロテクトIC「S-82M3/M4」シリーズおよび「S-82L4」シリーズを販売開始したと発表した。
両シリーズは、過充電保護に加えて、PTCサーミスターを接続可能なCTL端子を搭載。バッテリーパックが異常温度に達した際に温度検出できる。DFNパッケージの裏面を端子として用いることで、9つの端子を備えた。
定電圧出力回路を採用していて、外付けRTC(リアルタイムクロック)への電源供給が可能。PCのシャットダウン時も、メインバッテリーから電源供給できる。定電圧出力は最小1.5Vから選択可能。電池電圧がシャットダウン電圧を下回ると同回路が稼働を停止し、ICは低消費電流モードとなる。
S-82M3シリーズが3セル直列向け、S-82M4シリーズが4セル直列向けで、両シリーズともにウェイクアップ機能を備えた。電池パック組み立て時の製造工程において、プロテクションヒューズ溶断を防止できる。一方で、S-82L4シリーズは3セルと4セルの双方に対応可能だが、ウェイクアップ機能は搭載していない。
いずれも過充電検出電圧が3.6〜5.0V(±15mV)、VRTC端子シャットダウン電圧が2.5〜2.8V(±50mV)、動作時の消費電流が最大4μA、最大定格が28V、動作温度が−40〜+85℃となっている。
ノートPC、タブレットPCなどでのリチウムイオン二次電池パックやリチウムポリマー二次電池パックといった用途に適する。
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