オンセミは、太陽光発電やエネルギー貯蔵システム向けに、SiおよびSiC(炭化ケイ素)パワーモジュール「F5BP-PIM」シリーズを発表した。占有面積当たりの電力密度が向上し、ソーラーインバーターのシステム合計電力が最大350kWとなった。
オンセミは2024年8月、太陽光発電やエネルギー貯蔵システム(ESS)向けに、SiおよびSiC(炭化ケイ素)パワーモジュール「F5BP-PIM」シリーズを発表した。前世代品に比べ、同じ占有面積当たりの電力密度と効率が向上している。
F5BP-PIMは、1050VのIGBT「FS7」と1200VのSiCダイオード「D3」を搭載。高電圧かつ大電流の電力変換を容易にする基盤を形成しつつ、電力損失を低減して信頼性を向上できる。
占有面積当たりの電力密度が向上したことで、ソーラーインバーターのシステム合計電力が前世代品の最大300kWから最大350kWに増加した。容量1GWのソーラーファームでは1時間あたり約2MWのエネルギーを節約できる。これは、年間700戸以上の家庭への電力供給に相当するという。
インバーターモジュールにはINPC(I型中性点クランプ)を、ブーストモジュールにはフライングキャパシタートポロジーを採用。先進のDBC(Direct Bonded Copper)基板を用いており、熱抵抗や浮遊インダクタンスを低減した。また、銅ベースプレートにより、ヒートシンクへの熱抵抗も前世代品から9.3%に抑えている。
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