サージ耐量は従来の3倍 CAN FD向けTVSダイオード:ローム ESDCANxxシリーズ
ロームは、自動運転を支える高速車載通信システム「CAN FD」に対応したTVSダイオード「ESDCANxx」シリーズを発表した。信号劣化を防ぎ、高サージ耐量で車載電子機器の保護性能を向上させる。
ロームは2024年12月、自動運転を支える高速車載通信システム「CAN FD(CAN with Flexible Data rate)」に対応したTVSダイオード「ESDCANxx」シリーズを発表した。既に販売を開始していて、サンプル価格は1個につき100円(税別)だ。
TVSダイオード「ESDCANxx」シリーズ 出所:ローム
本シリーズは、素子構造の最適化により端子間容量を最大3.5pFまで低減し、高速通信時における信号劣化を防止。車載環境においてサージや静電気放電(ESD)からECUなどの電子機器を保護する。
パッケージは、2.9×2.4mmサイズのSOT-23および1.0×1.0mmサイズのDFN1010の2種類を用意。それぞれ24Vと27Vのスタンドオフ電圧に対応している。
SOT-23パッケージは、24V対応の「ESDCAN24HPY」「ESDCAN24HXY」と27V対応の「ESDCAN27HPY」「ESDCAN27HXY」の4機種。DFN1010パッケージでは、24V対応の「ESDCAN24YPA」「ESDCAN24YXA」と27V対応の「ESDCAN27YPA」「ESDCAN27YXA」の4機種で、計8製品を提供している。
DFN1010パッケージで提供する27V対応品では、CAN FD対応の相当一般品と比較してサージ耐量が約3.2倍に向上し、クランプ電圧も約16%低減した。これによって過酷な車載環境でも高い信頼性を提供する。
DFN1010パッケージ27V品の比較 出所:ローム
- 従来比62.5%小型化した車載機器向けTVSダイオード
新電元工業は、車載機器向けのTVSダイオード「ST20-FY」シリーズを発表した。パッケージサイズを従来品から62.5%削減し、負サージ保証耐量を他社同等品と比較して20%向上させている。
- 車載用400W TVSダイオード、動作温度は最大175℃
リテルヒューズは、車載向けの400W TVSダイオード「SZSMF4L」シリーズを発売する。小型のSOD-123FLパッケージを採用し、PCBの自動組み立て工程との互換性を確保した。
- 航空機のサブシステム向けTVSダイオード
リテルヒューズジャパンは、航空機のサブシステム向けTVSダイオード「5.0SMDJxxS-HRA」シリーズを発表した。サージ対応能力が66%向上したほか、電子部品のアップスクリーニングにより、サージ連続発生時の性能低下を抑制する。
- 車載ネットワークを静電破壊から守る「保護素子」
クルマでは自動運転に向け、低速のCANやLIN、高速のEthernetやHDBase-Tなど車内通信ネットワークが多数使われるようになってきた。車内通信ネットワークをサージや静電破壊から守るためには、保護回路を適切に使う必要がある。
- CAN FD/LINトランシーバー搭載の車載用PMIC
STマイクロエレクトロニクスは、車載用パワーマネジメントIC(PMIC)「SPSB081」シリーズを発表した。LDOレギュレーター、セカンダリーLDOレギュレーター、4つのハイサイドドライバー、CAN FDトランシーバーなどを備えた。
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