MOS 6501はそんな訳でMC6800の機能縮小版というか、廉価版を目指した構成である。実際大きなレベルでのブロック図(図1、図2)を比較すると、差が分からない。
具体的な違いとして外部から分かるものとしては
などが挙げられる。加えてMC6800よりも内部構造の最適化とか簡略化が図られた。このあたりは同じ設計チームが携わったからこそ、という面はあるかと思う。ちなみに命令を減らしたり、レジスタを変更したり、Offsetを8bitにしたりしたことで、MC6800との命令互換性はなくなっており、よく似てはいるが別のチップと考えても良いかと思う。まぁこれをMotorolaから出したら、顧客は相当混乱しただろうから、その意味ではMOS Technologyから別のCPUとしてリリースしたのは正解かと思う。
MOS 6501とMOS 6502の違いはピン配置であり、MOS 6501はMC6800互換となっていた。一方MOS 6502はピン配置を変えると共に、内部クロックで動作する(外部にクロックが必要ない)構成となっていた。このMOS 6501とMOS 6502は1975年9月に開催されたWESCONで販売(会場での販売は禁止されていたので、会場そばにあるSt. Francis Hotelのスイートルームに顧客を案内してそこで販売した)すると共に、複数の媒体に記事を掲載して読者の関心を集めた(図3〜5)。ちなみにこのWESCONにおける価格はMOS 6501が20米ドル、MOS 6502が25米ドルで、MC6800が当初360米ドル、1975年の時点でも69米ドルで販売されていたことを考えると、当初のもくろみはほぼ成功したと考えて良いかと思う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング