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マイコンの低消費UART、普通のUARTと何が違う?Q&Aで学ぶマイコン講座(106)(1/3 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「普通のUARTと低消費UARTと何が違う?」についてです。

» 2025年08月26日 10時00分 公開

過去の質問一覧はこちら

 素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。

 今回は、初級者から多く寄せられる質問です。

質問です

 マイコンのマニュアルに普通のUARTと低消費UARTがあるのですが、低消費UARTは、普通のUARTとは何が違うのですか?

回答です

 マイコンによって通信機能の呼び名や機能が異なりますので、本記事ではSTマイクロエレクトロニクス(以下、ST)のSTM32L4シリーズ(以下、STM32L4)*1)を例にして説明します。

 STM32L4には、「USART」と「LPUART」があります。USARTが通常の通信機能のユニバーサル同期/非同期受信機/送信機です。LPUARTは、低消費電力ユニバーサル非同期受信機/送信機です。

 LPUARTの最大の特徴は、32.768kHzのクロックから、最大9600ボー(bauds)のUART通信を実現できる機能です。クロックが32.768kHzと低速なので、消費電力を抑えることができ、かつ、双方向UART通信が可能です。

 さらに、LPUARTの割り込みによって低消費モードから復帰することができるので、低消費動作に適した周辺機能です。

 ただし、USARTに比べると、いくつか制限されている機能があります。

《制限されている機能》

  • 同期シリアル通信
  • スマートカード機能
  • IrDA SIR ENDECブロック
  • LINモード
  • 受信タイムアウト割り込み
  • Modbus通信
  • 自動ボーレート検出機能

 基本的な使い方は、USARTと同じです。クロックソースに32.768kHzクロック以外のシステムクロック、高速内蔵16MHzも選べるので、USARTと同じ通信速度を実現することができます(表1

表1:USARTとLPUARTの比較
機能 USART LPUART
モデムのためのハードウェア制御
マルチプロセッサ通信
同期モード
スマートカードモード
単線半二重通信
IrDA SIR ENDEC
LINモード
2つのクロックドメインとSTOPモードからの復帰
受信タイムアウト
Modbus通信
オートボーレート検出
Driver Enable
〇:搭載  ー:非搭載

*1)STM32L4シリーズ

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