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EMIの基礎知っておきたい「EMI」(1/2 ページ)

今回は「EMI(電磁妨害)」を取り上げます。EMIの定義から、EMIが与える影響、EMIで使われる単位といった基礎知識をお伝えします。

» 2025年11月07日 11時00分 公開
[リョーサン]
株式会社リョーサン

本連載はリョーサンが運営するマガジンサイト「リョーサンテクラボ」に掲載された記事を転載しています。本記事は2023年7月11日に公開されたものです。


1. EMI・EMS・EMCとは

 EMIとは、電子機器から発生する電磁波が他の電子機器に妨害を及ぼす現象です。

 この現象には、機器そのものがノイズ源となって他の機器に影響を与える可能性と、周囲の電子機器によって発生されたノイズの影響を受ける可能性の2つがあります。

 EMIと合わせてよく出る言葉としてEMSとEMCがあります。似ている用語ですが意味が全く異なりますので、混同しないように以下にまとめておきます。

表1. EMI・EMS・EMCとは
略称 用語と意味 解説
EMI Electromagnetic Interference
電磁妨害
導体を伝搬するノイズや電磁波ノイズによる妨害を指すが、機器から出力されるノイズ全般を意味する事が多い
EMS Electromagnetic Susceptibility
電磁感受性
導体を伝搬するノイズや静電気を含む、外来の電磁波や電気的ストレスに対する耐性(ノイズを受ける側の耐性)
EMC Electromagnetic Compatibility
電磁両立性
ノイズを出すEMIと、ノイズを受けるEMSの総称(ノイズによる妨害とノイズを受ける側の耐性の総称)
図1. EMI・EMS・EMCの関係性

2. EMIが問題となるケース

 EMIが問題となるケースは、主に下記の3点に分類出来ます。

【(1)EMI規格に適合出来ないケース】

 機器が放射 or 導体を伝搬するノイズの上限は、CISPRやVCCI、FCC等の規格団体で定められたEMI規格に適合していないと、製品として出荷出来ません。

図2. EMI規格に適合出来ないケース

【(2)妨害電磁波による影響があるケース】

 EMI規格には適合出来ていますが、妨害電磁波が他機器に影響を与えてしまうケースです。

図3. 妨害電磁波による影響があるケース

【(3)導体伝搬ノイズによる影響があるケース】

 EMI規格には適合出来ていますが、導体(電源、GND、信号ライン等)を伝搬するノイズが他機器に影響を与えてしまうケースです。

図4. 導体伝搬ノイズによる影響があるケース

 上記の(2)と(3)は別の機器間の干渉だけではなく、EMI自家中毒とも表現するように、単一機器内でも発生します。

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