低スタンバイ電流の汎用モータードライバーIC、ローム：民生、産業機器向け

ロームは、民生機器や産業機器向けの汎用モータードライバーIC「BD60210FV」「BD64950EFJ」を開発した。両製品ともスタンバイ電流が低く、アプリケーション待機時の省電力化に寄与する。

[EDN Japan]

　ロームは2025年11月、民生機器や産業機器向けの汎用モータードライバーICを発表した。2チャンネルの「BD60210FV」（20V耐圧）と1チャンネルの「BD64950EFJ」（40V耐圧）で、既に量産を開始。サンプル価格は1個300円（税別）だ。

汎用モータードライバーIC「BD60210FV」「BD64950EFJ」 出所：ローム

　両製品は、スタンバイ電流が0.0μA（Typ.）、1.0μA（Max.）と低く、アプリケーション待機時の省電力化に寄与する。同社は、冷蔵庫やエアコン、プリンタ、掃除ロボットといった民生機器、自動ドアやシャッター、小型コンベアー、電動工具といった産業機器への搭載を想定している。

Hブリッジ回路構成を採用

　BD60210FVは、Hブリッジ2回路を備えたダイレクトPWM制御型モータドライバーだ。DCブラシ付きモーター2個またはステッピングモーター1個を駆動できる。昇圧を要しないHブリッジ回路構成により外付け部品を削減し、省スペース化や設計の簡素化に寄与する。

　BD64950EFJは、Hブリッジを1回路搭載する。ダイレクトパルス幅変調（PWM）制御と、定電流PWM制御の双方に対応する。低オン抵抗設計により発熱を抑え、効率的な駆動が可能。40V耐圧で、24V駆動のDCブラシ付きモーターに対応する。

　パッケージは、BD60210FVがSSOP-B16、BD64950EFJがHTSOP-J8を採用する。ともに汎用性の高いパッケージを採用していて、設計変更や派生モデルへの展開が容易だ。評価ボード「BD60210FV-EVK-001」「BD64950EFJ-EVK-001」も提供する。