ロームは、TOLLパッケージのSiC MOSFET「SCT40xxDLL」シリーズの量産を開始した。同社従来品比で放熱性が約39%向上したほか、部品面積が約26%縮小。厚さも2.3mmに半減している。
ロームは2025年9月、TOLL(TO-LeadLess)パッケージを採用した炭化ケイ素(SiC)MOSFET「SCT40xxDLL」シリーズの量産開始を発表した。6機種を用意し、サンプル価格は1個5500円(税別)だ。
同シリーズは、TO-263-7Lパッケージを用いた同社従来品と比べて、放熱性が約39%向上している。部品面積が約26%縮小したほか、厚さも約半分の2.3mmへ低背化した。
ドレイン-ソース間定格電圧は750V。650Vの一般的なTOLLパッケージ品に比べ、サージ電圧への余裕を確保できる。ゲート抵抗を小さく抑えられるため、スイッチング損失が低減する。
オン抵抗13mΩの「SCT4013DLL」(ドレイン電流120A)、同20mΩの「SCT4020DLL」(同80A)、同26mΩの「SCT4026DLL」(同61A)、同36mΩの「SCT4036DLL」(同46A)、同45mΩの「SCT4045DLL」(同37A)、同65mΩの「SCT4065DLL」(同26A)の6機種をそろえた。いずれも750V耐圧に対応している。
主な用途として、AIサーバや電力貯蔵システム(ESS)、薄型電源など、高電力密度化が進む産業機器での利用を見込む。同社のWebサイトでは、各機種のシミュレーションモデルを無償で提供している。
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