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シングルペアイーサネット解説! 従来規格との違いとは?知っておきたいSPE(2/4 ページ)

» 2026年02月13日 10時00分 公開
[リョーサン]
株式会社リョーサン

3. SPE関連の国際規格体系

IEEE 802.3規格の詳細

 SPEに関連するIEEE 802.3の規格は、複数のサブグループに分かれています。

 まず、802.3cgは10BASE-T1、10BASE-T1S、10BASE-T1Lといった10Mビット/秒の規格をカバーしています。これらは主に産業機器や一般市場向けに開発されたもので、特に長距離通信を重視しています。

 802.3bw(100Mビット/秒)と802.3bp(1Gビット/秒)は主に自動車向けに開発された規格で、自動車内部のネットワークは外部と接続しない閉じたシステムであるため、比較的容易に新技術への移行が進み、すでに自動車業界ではほぼSPEに切り替わっている状況です。

 最新の802.3chは10Gbpsまでの高速通信に対応しており、主に自動車の衝突安全カメラなど、高速データ転送が必要な用途を想定して開発されました。

IEEE 802.3規格の内容 IEEE 802.3規格の内容

通信速度と伝送距離のバランス

 通信速度と伝送距離の関係を見ると、当然ながら速度が上がるほど距離は短くなります。自動車用の100Mビット/秒と1Gビット/秒の規格は、車内という比較的短距離での使用を想定しているため、伝送距離は同程度に設定されていますが、実際には100Mビット/秒の方がより長距離に対応できます。

 現在開発中の100BASE-T1Lという規格では、500メートルの伝送距離を実現する予定です。

革新的な通信トポロジー

 通信トポロジーについても特筆すべき点があります。100Mビット/秒、1Gビット/秒、10Gビット/秒の規格はポイント・ツー・ポイント接続で、4カ所の接続点を設けることができます。10Mビット/秒の規格では10カ所の接続点が可能です。

 さらに注目すべきは、従来のイーサネットにはなかったポイント・ツー・マルチポイント接続が可能になったことです。これは、ハブやスイッチを使わずにT分岐で複数のノードをぶら下げるような接続が可能になるというものです。

 通常、イーサネットではハブやスイッチを使って1対1で通信するところを、このような形でハブなしで複数の端末のデータを読み取ることができます。この機能は将来的にケーブル数の削減という面で大きく普及する可能性があります。

4. ケーブルとコネクターの標準化状況

国際規格とコネクター規格の複雑な現状

 ケーブルとコネクターについても国際規格が整備されています。

 ケーブルについてはIEC 11801-11、12、13、14シリーズとして規格化されており、これが現在のSPEケーブルの標準規格となっています。これらは日本産業規格(JIS)やアメリカの規格としても採用されており、国際的に標準化が進んでいます。

 コネクターについてはIEC 63171シリーズとして規格化されています。これは従来のRJ45に相当するものですが、現在の状況は従来のLANケーブルとは大きく異なっています。

 従来のLANケーブルがRJ45という1つの規格に集約されているのに対し、SPEコネクターは現在では7種類の異なる形状が規格化されています。これは開発時期や適用市場などの違いにより、異なる形状のコネクターが平行して規格化されたことが原因です。

 小番号が変わるとコネクターの嵌合形状が変わり、縦に並んでいるものもあれば、横に並んでいるものもあり、複合化されたものなどさまざまなタイプが存在しています。

主要な3つのコネクターの規格と推進するコンソーシアム

 中でもIEC 63171-1、IEC 63171-2、IEC 63171-6という3つのコネクター規格が主に普及し始めています。これらはそれぞれ異なるコンソーシアムによって推進されています。

 同じコンソーシアム内のコネクター規格であれば、メーカーが異なっても嵌合して使用できます。ただし、異なるコンソーシアム間のコネクターは互換性がないため、システム設計時には注意が必要です。

主要3コネクター規格の内容 主要3コネクター規格の内容

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