「Q&Aで学ぶマイコン講座(117):Arm Cortex-MのAIアクセラレーターってどんな機能?」で説明しましたが、AIアクセラレーターは膨大な積和演算を、高速かつ低消費電力で処理するハードウェアです。実際は、積和演算だけでなく、もっと複雑な処理が加わってきますが、簡単に理解するには、「AIアクセラレーター=高速、低消費電力の膨大な積和演算器」と考えてください。
そのため、ST Neural-ARTアクセラレーターは、高度に並列化したハードウェアコプロセッサを搭載したモジュールだと言えます。メイン機能は積和演算を行うMAC(Multiply-Accumulate Operations:乗累算)ユニットです。MACは主にニューラルネットワーク処理を行います。
その他には、重みデータ処理機能やマイコンとのインタフェースをつかさどる機能、メモリなどが搭載されています。
ST Neural-ARTアクセラレーターとArm Cortex-M55を、マイコン上で統合することで、マイコンの能力が大幅に拡張され、これまで手が届かなかったより複雑なAIタスクを処理できるようになります。従来、マイコンは処理能力やエネルギー効率に制約があるため、適用可能なAIアプリケーションが、低解像度の画像解析や時系列解析、低フレームレートといった単純なものに限られていました。しかし、ST Neural-ARTアクセラレーターを搭載することで、マイコンによって、より高速に移動し、より小さな対象物に対して、音声認識、物体分類、姿勢推定、それぞれの物体の位置特定などの高度なAI機能を実行できるようになりました。
AI推論タスクをST Neural-ARTアクセラレーターに任せてしまうことで、Arm Cortex-M55は他の重要な機能に集中することが可能になり、効率的かつリアルタイムでの処理が可能になります。
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