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Neural-ARTアクセラレーターってどんな機能?Q&Aで学ぶマイコン講座(118)(3/3 ページ)

» 2026年08月31日 11時00分 公開
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ST Neural-ARTアクセラレーターのアーキテクチャ

 ST Neural-ARTアクセラレーターは、さまざまな推論カーネルに対応可能な複数の専用ハードウェアアクセラレーターを統合しています。

 これらのアクセラレーターは、パラメータ設定が可能であり、かつ実行時に再構成可能なニューラル処理ユニットです。データフローストリーム処理エンジンを介して動的に接続されており、柔軟で効率的な処理を実現します。

 また、固定小数点MAC(精度は16bitまたは8bit)を備えた、設定可能な数の畳み込みアクセラレーターも搭載されています。

<strong>図4:ST Neural-ARTアクセラレーターのアーキテクチャ</strong> 図4:ST Neural-ARTアクセラレーターのアーキテクチャ[クリックで拡大]

ST Neural-ARTアクセラレーターの動作

 設定と起動が行われると、外部メモリからデータを自律的に読み出し、動的に相互接続された内部の処理ユニットへと供給します。同様に、一連の演算処理の結果は外部メモリへと書き出されます。

 入力(ソース)としては、アクティベーションや特徴量だけでなく、重みやバイアスといったパラメータ、あるいはメモリマップされた不揮発性メモリに格納された定数データなども利用可能です。データストリーム処理パイプラインの設定と起動が完了すると、全てのDMA出力およびシンク(出力先)において転送完了イベントが通知されます。

ST Neural-ARTアクセラレーターの使い方(ワークフロー)

 読者のみなさんは、ここまで読んできて「高機能なのは理解したけど、どうのように使うんだろう?」と思われるでしょう。STでは組み込みAI用開発ツールを提供していますので、このツールを使えば、容易にサンプルモデルから、モデルの性能評価、モデル最適化まで実現できます。*2)言い換えると、ユーザーは、直接ST Neural-ARTアクセラレーターを使うのではなく、開発ツールで間接的に使うことになります。

<strong>図5:組み込みAI用オンライン開発ツール</strong> 図5:組み込みAI用オンライン開発ツール[クリックで拡大]

*2):参考

 組み込みAI用開発ツールは、STM32Cube.AI(デスクトップツール)とST Edge AI Developer Cloud(オンラインツール)の2種類が提供されています。どちらも、ニューラルネットワークモデルには、ST Edge AI model zooまたはユーザー独自の学習済みニューラルネットワークモデルが使えます。ニューラルネットワークモデルは、TensorFlow、Keras、ONNXなどの各AIフレームワークで提供されている演算子のセットを使用できます。STM32Cube.AIを使った場合の概要を図6に、ST Edge AI Developer Cloudを使った場合の概要を図7に示します。

<strong>図6:STM32Cube.AI</strong> 図6:STM32Cube.AI[クリックで拡大]
<strong>図7:ST Edge AI Developer Cloud</strong> 図7:ST Edge AI Developer Cloud[クリックで拡大]

 開発ワークフローは次の5ステップです。

ステップ1:モデルの選択とトレーニング

 開発者は、特定のアプリケーションに適したAIモデルを選択または設計することから始めます。このモデルは、通常、TensorFlow、Keras、またはONNX形式のモデルなどの高レベルフレームワークを利用して、適切なデータセットを使用してトレーニングします。

ステップ2:モデルの最適化

モデルの学習が完了したら、STの統合されたパートナーエコシステムで利用可能なソリューションを使用して、量子化、プルーニング、圧縮などのさまざまな手法によって最適化します。

ステップ3:STM32Cube.AIなどによる変換

 STM32Cube.AIなどを活用することで、開発者は、事前にトレーニングされたニューラルネットワークモデルを最適化されたCコードへと変換できます。このツールは、一般的なAIフレームワークからのモデルのインポートをサポートし、最適化技術を適用し、性能と効率を最大化するために、ニューラルネットワーク処理ユニットコンパイラと統合します。

ステップ4:統合とテスト

 生成したコードは、STM32N6シリーズ上で動作するアプリケーションコードに統合されます。開発者は、STM32CubeIDEまたはその他の互換性のある開発環境を使用して、ターゲットハードウェア上でアプリケーションをコンパイル、アップロード、テストできます。

ステップ5:デプロイメント(実装)

 アプリケーションを徹底的にテストして検証したら、エッジデバイスに実装します。ST Neural-ARTアクセラレーターは、AIモデルの効率的な実行を保証し、リアルタイムな性能と低消費電力を実現してくれます。

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